店長にいっても取り合ってもらえないなら……少額訴訟を活用して未払いのアルバイト代を回収しよう!

■未払いのアルバイト代請求に少額訴訟が有効な理由

少額訴訟とは、60万円を超えない比較的少額の金銭の支払いを求める場合に限り利用できる、簡易的な訴訟手続きのことをいいます。未払いのアルバイト代を支払ってもらうのに少額訴訟を活用するメリットは、主に以下の3つです。

○自分で手続きが進められる

アルバイト代の場合、未払い賃金が数ヵ月たまっていても、数十万円ということもあります。そのため、弁護士に依頼していては、たとえ未払い賃金をすべて回収できても、弁護士費用を考えると依頼者のリターンはほとんどない可能性も考えられます。

少額訴訟の場合は手続き自体がとても簡単なので、弁護士に依頼せずとも自分で進められ、高額な弁護士費用を節約することができます。

○判決が出るまでの期間が短い

少額訴訟では、裁判所に出向くのは原則1回のみであり、その場で審理が行われ、その日のうちに判決も下されます。そのため、提訴してから判決が下されるまでの期間が約2ヵ月と、通常の訴訟と比較するとかなり短くなります。また、判決に従ってすぐに強制執行(財産差し押さえ)などの具体的な行動に移れることも、メリットの1つです。

○費用を抑えられる

少額訴訟では、提訴から強制執行まで含めても、1~2万円ほどの費用しかかりません。そのため、経済的な負担を最小限に抑えつつ、裁判所を介した手続きを実行できます。

■少額訴訟の前にやっておくべき2つのこと

少額訴訟に踏み切る前に、確実に未払い賃金を支払ってもらうためのポイントとして、以下2つのことを実践しましょう。

1.相手方に内容証明郵便を送る

まずは雇い主に対し、未払い賃金の支払いを求める旨の文書を、郵便局の「内容証明郵便」で送りましょう。内容証明郵便とは、誰がいつどんな内容の文書を送付したのかを、郵便局が公に証明してくれる郵便です。

口頭で払ってくださいというよりも文書で伝えるほうが相手にとっては心理的なプレッシャーとなるので、内容証明郵便を送ることで支払いに応じてもらえるケースもあります。また、たとえ支払いには応じてもらえなくても、「請求したのに払ってもらえなかった」という公的な記録が残り、確実な証拠として裁判でも利用できる利点があります。

2.未払い賃金の証拠を集める

少額訴訟の審理は原則1回と定められていますから、1回の審理で裁判官が適切な判決を下せるよう、十分な証拠を提示しなければなりません。裁判官が1回の審理では決着がつかない、あるいは、少額訴訟で争うのに適した紛争でないと判断した場合、通常の民事訴訟手続きへと移行してしまうため、訴えた側にも大きな負担となります。

また、訴えられた側が異議を申し立てた場合も、改めて通常の民事訴訟を行わなければなりません。「これ以上争っても勝てる見込みがない」と相手に思わせるためにも、確実な証拠を集めることが重要なポイントになるのです。

未払い賃金を証明するものとしては、以下に挙げるものが有力な証拠となります。

○給与の金額と支払日がわかるもの

例)雇用契約書、就業規則、内定通知、労働条件通知、給与明細など

○給与が支払われていないことがわかるもの

例)給与明細や源泉徴収票などと、給与口座の履歴のコピー

※給与明細などと口座履歴を照合することで、本来なら毎月支払われなければならない金額のうち、一部、または全部が支払われていないことを証明できます。

○労働の事実を証明するもの

例)タイムカード、出勤簿、業務日誌、日報や月報など

※賃金は労働の対価として支払われるのが通常ですから、労働の事実がないのに賃金の支払いを求めることはできません。上記のような証拠により、「きちんと働いているにもかかわらず、賃金がもらえていない」ことを証明しましょう。

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