上司から休日出勤の上に有給消化まで強制された!これって違法じゃないの?

繁忙期や決算期など、休日出勤を命じられることは多くの会社であることでしょうが、会社側から休日出勤を強制されることは、違法ではないのでしょうか?また、休日出勤の代わりとして有給消化を命じられた場合、受け入れなければならないのでしょうか?

■法定労働時間と法定休日・法定外休日とは

労働基準法では、原則として1日8時間・週40時間以内(休憩時間を除く)の労働時間の上限を定めています。これを、「法定労働時間」といいます。さらに、休日に関しても、最低でも週に一度(毎週1回の休日が難しい場合には、少なくとも4週に4日以上)の休みを保障することを定めています。これを、「法定休日」といいます。

しかし、1日の労働時間を8時間、休日を週に一度とすると、週の労働時間が48時間となり、法定労働時間を超えてしまいます。そこで、多くの会社では、1日の労働時間を8時間、休日を週に2回とする「完全週休2日制」を採用しています。

法定労働時間や法定休日を守れば、1日当たりの労働時間や何曜日を休日にするかは、それぞれの会社で自由に決めてかまいません。たとえば、1日8時間勤務で土日が休みの完全週休2日制を採用している場合、土曜日と日曜日のどちらを法定休日にするかは、会社側が就業規則などで定めます。

日曜日を法定休日と定める場合、土曜日は「法定外休日(法律で最低限与えなければならないと決まっている休日とは関係なく、会社が定めた休日のこと。祝祭日や年末年始の休暇なども法定外休日になる)」と呼ばれます。

■休日出勤って違法じゃないの?

原則として、法定労働時間を超えて従業員を働かせたり、法定休日に労働をさせたりすることは法律違反です。ただし、使用者と労働者が合意をし、労働基準監督署に届け出をした場合にのみ、法定労働時間を超えた労働・法定休日の労働が認められます。このとき、使用者と労働者の間で結ばれる協定を「36(サブロク)協定」といいます。

つまり、入社時に会社側と36協定を交わしている場合は、会社が休日出勤を命じること自体は違法ではありません。ただし、法定休日に労働をさせる場合は通常の賃金の1.35倍、法定外休日に労働をさせる場合でも、それが週40時間を超えた時間外労働にあたるならば1.25倍の割増賃金を、従業員に対して支払う必要があります。

あるいは、従業員に休みを振り替えてもらうこともできます。ちなみに、振替休日は休みの日が移動しただけなので、休日出勤の扱いにはなりません(つまり、割増賃金が発生しません)。しかし、休日に出勤してもらった後に別の日に休みを与える「代休」の場合は、割増賃金が発生します。

まとめると、従業員に休日出勤をさせること自体は、36協定を結んでいる限り違法ではありません。しかし、振替休日や割増賃金の支払いなど、何も対価のない休日出勤は違法だといえます。

■会社が有給の取得を強制させることはできる?

従業員に休日出勤を命じる場合、会社側は、振替休日を与えるか、あるいは割増賃金を支払うかを選ぶことができます(代休を与えることは強制ではありません)。ただし、休日出勤の対価として別の日に休日を与える場合、これを有給休暇として、有給を消化させることは、労働基準法にて禁止されています。

そもそも有休は、労働者側が自由に取得する権利のあるものです。従業員から取得の申請があったときは、会社がこれを拒むことはできません(ただし、事業運営の妨げとなる場合に限り、別の日に取得させることが可能です=時季変更権)。

また、有休は、会社が勝手な都合で従業員に与えることもできないものです。法律上、有給の付与日数のうち5日を残した残りに関しては、会社が定めたとおりに与えることも可能(=有給の計画付与制度)ですが、いつどれくらいの日数の有給を与えるのかは、あらかじめ就業規則に定めておかなければなりません。

振替休日や代休で有給を使ったことにされると、使いたいときには有給が残っていないという可能性も……。休日出勤の後に有給消化を強制された場合は、有給を取得する意思のないことをきちんと伝えた上で、聞き入れてもらえない場合は、労働基準監督署や労働局へ相談してみましょう。

振替休日や割増賃金の支払いのない違法な休日出勤、就業規則に規定のない強制的な有給消化が悪質な場合は、転職も視野に入れて弁護士へ相談することもひとつの方法です。

関連記事