介護休業の取得を渋られたらどうすべき?給付金を受け取るには?

昨今の高齢化社会にともない、家族の介護をしながら仕事をしなければならない方が増えています。そのような方の介護と仕事との両立をサポートするためにあるのが、「介護休業」という制度です。介護休業は条件を満たす方なら誰でも取得できるものですし、会社は原則として拒むことはできませんが、実際に申請をすると、あまり色よい返事をもらえないことも少なくありません。

そこで今回は、介護休業や介護給付金について解説するとともに、介護休業の取得を拒まれたときの対処法をお教えします。

■そもそも介護休業とは?

介護休業とは、「育児・介護休業法」という法律に定められたもので、要介護状態の家族を介護するために休みを取得できる制度をいいます。ここでいう「要介護状態」とは、介護保険制度の定める「要介護認定」とは異なります。ご家族が要介護認定を受けていなくても、常時介護を必要とする状態(※)が2週間以上継続すれば、介護休業の取得は可能です。

介護休業は、一定の条件を満たす従業員なら誰でも取得することが認められています。また、対象の従業員から介護休業取得の申請があった場合、人手不足や繁忙期などが理由であっても、原則として会社はその取得を拒むことはできません。

(※)「要介護状態」の詳細は、厚生労働省のHPなどで確認できます。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/otoiawase_roudousya.html

【介護休業給付金について】

介護休業給付金とは、介護休業中の期間において、介護休業開始日から最大93日分までに限り、給与の一部を支給する制度です。介護休業中は、会社が従業員に対して賃金を支払う義務を負っていません。

しかし、もしも就業規則などに定めがあって、休業期間中に会社から手当を受け取っている場合も、その金額が介護休業給付金の支給額(介護休業開始前半年間の賃金総額÷180×休業日数×67%)より低ければ、申請すればその差額分を受け取ることができます。

ただし、介護休業給付金の申請は、介護休業を取得する本人ではなく、原則として会社を通じて行わなければならないことに注意が必要です。

■介護休業を取得できる条件

以下の条件を満たす労働者の方は、年齢・性別・業種などに関係なく、誰でも介護休業を取得することができます。

●申請できる人

雇用開始から1年以上が経過していて、かつ、介護休業の開始予定日から93日が経過した日から数えて半年間の間に、雇用契約がなくなることが明らかでない労働者

※上記の条件満たせば、正社員・パート・アルバイト・有期契約労働者など、雇用形態は問われません。

●取得可能な期間

対象家族1人に対して、最大93日まで(最大3回に分けて取得可能)

●対象となる家族の範囲

配偶者(事実婚・内縁関係を含む)、子、孫、父母、祖父母、配偶者の父母、兄弟姉妹

■介護休業の申請を断られたら……

前述のとおり、介護休業は条件を満たしていればどんな労働者も取得できるものであり、また、申請があれば会社は原則として、介護休業の取得を拒むことができません。従業員は、休業を開始したい日より2週間前までに会社へ申請をすれば、法律上は問題ないとされています。

とはいえ、繁忙期にかかっていたり人手が足りなかったり、その職種が簡単に代わりのきかないような特殊な職種などであったりすると、どうしても希望の時期に介護休業を取得されると困る、といった会社側の事情もあるかもしれません。

万が一取得を渋られてしまったら、とにかくまずは、会社側の担当者などとよく話し合うことが必要です。場合によっては「取得時期を少しずらす」「休業期間を短くする」「休業が難しければ勤務時間の短縮や残業時間のカットを約束してもらう」といった提案もしてみて、会社との妥協点を探りながら最善の方法を見つけましょう。

なお、介護休業の取得を理由に、減給や左遷、解雇といった不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。もしも不利益な扱いを受けたり、どれだけ話し合っても介護休業を取得できそうになかったりするときは、さまざまな労働紛争の解決をサポートしている労働局へご相談ください。

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