不倫していた妻に親権を取られそう……父親が親権を取るにはどうしたらいい?

一般的に、親権を取るには母親のほうが有利であるといわれています。妻が親権者となるときのハードルになることが多いのは、生活費(養育費)。しかし、管理職についているなど妻には社会的な地位があり、経済面でも大きな問題はないとしたら、夫のほうが親権をとるにはいよいよ不利な状況に思えます。

ところが、実際は、親権者を決定する際のポイントとして経済面の重要度はそれほど高くなく、また、母親が親権者として有利というわけでもないのです。「男親は親権を取れない……」とあきらめてしまう前に、父親が親権を取るために必要なことを学びましょう。

■親権を取るには母親が有利ってホント?

まず考えたいのは、「親権とは誰にとっての権利なのか」ということです。親権は、親の権利であると同時に子どもの権利です。調停や裁判においても、親権を決めるときには子どもの利益や福祉にかなうことがもっとも優先されます。そのため、親権を争うときには母親が有利だという誤解が世間一般に広くありますが、父親だからといって必ずしも不利になるとは限らないのです。

子どもが乳幼児の場合などは、ほとんどのケースで母親が親権者となります。しかしこれは、母親が有利であるというわけではなく、特に小さい子どもにとっては「母性的なかかわり(=愛情を持って育てること)」が必要不可欠で、乳幼児の頃は母親がその役を担うことが多いから、というだけにすぎません。

母親に子どもに対する愛情がなかったり(幼児虐待、ネグレクト、育児放棄など)、父親が日頃から育児にかかわって母性的な役割も同時に果たしていたりするのであれば、子どもが小さくても父親が親権者になれないことはありません。

ちなみに、不倫を理由に相手に親権を渡さないことは認められません。前述のとおり、親権者の決定において優先されるのは子どもの利益。不倫によって夫婦としての義務を怠ったとしても、親としての義務をないがしろにしたわけではないので、不倫の事実は親権者の決定には影響しません。

■父親が親権を取りやすいケース

父親が親権を取るのに有利な状況とは、たとえば以下のようなものがあります。

●妻とは別居しているが、父親が子どもと一緒に住んでいる

親権者を決めるときは、子どもの環境が大きく変化してしまわないことが考慮されます。そのため、夫婦が別居している場合は、子どもと暮らしをともにした時間が長いほうが、親権者として有利になります。

●父親が普段から家事・育児に積極的に関わっている

ご飯を作って食べさせたり服を着替えさせたり、幼稚園・保育園の送り迎えをしたりなど、子どもの身の回りの世話をすることを法律上は「監護」といいます。夫婦が同居している場合も、監護実績が多くその期間が長いほうが親権者としては有利です。

●母親が育児放棄やネグレクト、虐待、モラハラをしている

母親が家事や育児を放り出している状況を撮影したもの、子どもが暴力を受けている場合はケガの写真など、子どもに対して吐いている暴言を録音したものなど、「母親には子どもに対する愛情が欠けている」ことを示す証拠を集めておくのが重要です。

●周囲に手助けをしてもらえる環境がある

自分の両親(子どもにとっては祖父母)の住まいが近くにあって必要があればサポートしてもらえるなど、子育てに関して、周囲に手助けをしてもらえる環境があることも重要なポイントです。

■子どもの意思はどれくらい尊重される?

子どもが一定の年齢を超えると、親権者の決定には子どもの意思も反映されるようになります。目安としては、10歳以上ならある程度子どもの意思が反映され、15歳以上なら原則として子どもの意思が優先されると考えてよいでしょう。

ただし、親権者を決める際は子どもの意思のほかにもさまざまな事情が考慮されるため、子どもが15歳以上でも必ずその意思が反映されるとは限りません。特に10歳以下の子どもは、親の顔色をうかがって本心とは違うことをいってしまうケースもあるので、子どもが置かれている状況などから慎重な判断がなされます。

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