解雇するときに気をつけなければならないことは?解雇予告が不要なケースも解説!

■前提として「解雇」は簡単にできないことを押さえよう

まず大前提として、企業側はそう簡単に解雇という手段を取れないことをしっかりと押さえておく必要があります。

法律上、解雇が認められるには、①解雇の理由が客観的に見て合理的であること、②解雇という処分が社会通念に照らし合わせて相当といえること、のいずれも満たさなければなりません。そして、①と②を満たすケースとは、法律的に見ても実務的に見ても非常に限定的です。

たとえば、能力不足や無断欠勤など、解雇もやむを得ないと思われる理由が労働者自身にあるとき(普通解雇)も、指導、教育、勧告、異動など、解雇に至るまでにあらゆる手を尽くしても改善されないという事実がなければ、違法な解雇とみなされます。

また、会社都合の解雇であることから、リストラ(整理解雇)には特にさまざまな条件が設けられています。原則として退職金の支払いなどもない懲罰としての解雇(懲戒解雇)も、企業のお金を横領したなどよほどの理由がない限り、違法と判断されます。

このように、解雇が使用者にとって厳しい条件となっているのは、労働者の立場と生活を守るためです。労使関係においてはどうしても使用者のほうが有利な立場になりやすいこと、そして、労働が日々の生活と密接に結びついていることから、労働者はこのように、法律でしっかりと保護されているのです。

■労働者を解雇するときに注意すべき3つのこと

労働者から不当解雇を理由に裁判などを起こされると、使用者側である企業は不利な立場に立たされることも少なくありません。解雇に際して労働者とのトラブルを避けるために、最低限以下のポイントを押さえておきましょう。

・解雇の要件を就業規則などに定めておく

どのような行為や理由が解雇にあたるのかを明確にし、就業規則や雇用契約書に定めた上で労働者に周知しましょう。ただし、就業規則などにきちんと定めたとしても、解雇理由が上記の①と②を満たしていなければ、そもそもその就業規則自体が無効と判断される恐れもあります。就業規則や雇用契約書は、顧問弁護士や社労士など専門家にリーガルチェックをお願いするのが理想です。

・解雇する労働者とよく話し合う

どうしても雇用を続けられない、解雇もやむを得ないというときは、解雇する労働者へきちんと話をし、本人に納得してもらうことを忘れないでください。労働者が法律に違反する罪を犯した場合などは別ですが、解雇によって雇用者の労働の機会を奪ってしまうことには変わりないのですから、真摯な対応を心がけてください。

・法律に則った正規の手順を踏む

労働者を解雇するときは、解雇する日から30日前までに解雇予告をすることが法律により定められています。また、事情により30日前の解雇予告ができなかった場合、解雇予告手当として、不足した日数分の平均賃金を解雇する日までに支払わなければなりません。

たとえば、4/30の解雇日であるにもかかわらず4/20に解雇予告をした場合、本来ならば3/31までには解雇予告をしなければならないので、3/31~4/19までの20日分の平均賃金を、解雇予告手当として支払わなければならないことになります。

■解雇予告が必要ないケース

ただし、以下のケースに当てはまる場合は、解雇予告や解雇予告手当の支払いが必要ありません。

●解雇されるのが以下に該当する労働者のとき

・試用期間中の労働者(入社日から14日以内) ・日雇い労働者

・期間労働者(2ヶ月以内) ・季節労働者(4ヶ月以内)

●天変事変やその他やむを得ない事情により解雇するとき

※労働基準監督署へ申請の上、署長の認定を受けた場合のみ

●労働者自身に解雇もやむを得ない責任がある場合(金銭横領、2週間以上の無断欠勤等)

※労働基準監督署へ申請の上、署長の認定を受けた場合のみ

労働者の解雇は、場合によってはその人の人生を変えてしまうこともあるほど、重みのあるものです。解雇にかかわる法律だけでなく、解雇される労働者の気持ちもよく考えて対応することが望まれます。解雇する労働者とよく話し合い、トラブルのないように注意しましょう。

関連記事