DV夫と離婚するためにあなたにできる7つのこと

■DVでの離婚は「話し合いをしようとしない」が鉄則!

「円満に離婚したいなら、まずは話し合うことが大切」などとよくいわれますが、配偶者からDV(精神的な暴力、いわゆるモラハラも含む)を受けている場合、ほとんどのケースにおいて、話し合いで離婚できることはありません。むしろ、離婚の話を切り出すことで相手が逆上し、さらにひどい暴力を受けるなど、あなたの身が危険にさらされる可能性すらあります。

DVでの離婚においてもっとも大切なことは、いち早く暴力から逃れること、つまり、別居という手段をとることです。とはいえ、別居のタイミングややり方を間違えると、大きなトラブルに発展することもあります。DVの場合、調停や裁判での解決となるケースが多いので、先を見据えるという意味でも、まずは弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談すれば、離婚に関して必要な話し合いや手続きはすべてあなたの代理人として弁護士が進めてくれるため、相手と直接会わずに済みます。別居先、別居のタイミング、別居後の生活などに関して、必要な知識も提供してくれるでしょう。

■押さえておきたい別居前の5つのポイント

【ポイント1】当面の生活費の確保

まずは、自分の自由にできるお金が現時点でどれくらいあるかを把握しましょう。別居資金としては、子どもの養育費を含め、別居後の生活費として3ヶ月分程度が目安となります。足りなければ、自分の実家に相談するなどして当面の生活費を確保してください。

別居後の住居を確保するためにも実家に頼れればベストですが、難しい場合は弁護士のほか、配偶者暴力相談支援センター(各都道府県に設置された福祉事務所や婦人相談所など)に相談するのもおすすめです。別居後に自立して生活していくためのアドバイスや支援などを受けられます。

配偶者暴力相談支援センター|内閣府男女共同参画局

http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html 

【ポイント2】別居時に持ち出すものを整理

預金通帳、キャッシュカード、印鑑、健康保険証、母子手帳、運転免許証、パスポートなど、換えのきかないものは必ず別居時に持っていく必要があります。相手にバレない保管場所へひとつにまとめておきましょう。

【ポイント3】DVの証拠集め

DVの事実があれば離婚は可能ですが、裁判で争うことになった場合は、DVの事実を客観的に証明しなければなりません。そのため、別居する前に可能な限りDVの証拠を集めておきましょう。証拠となり得るようなものは次のとおりです。

・DVで負ったケガの写真、医師の診断書

・暴力を振るっているときの動画、音源

・DVの内容を記録した日記やメモ

・相手から送られてきた脅迫、暴言のメールやSNSのスクリーンショット

ただし、DVの証拠を集めていることが相手に知られれば、逆上される可能性もあります。DVを証明できなくても、別居期間を積み重ねていけばいずれ必ず離婚はできますから、証拠集めは無理のない範囲で行ってください。

【ポイント4】共有財産の証拠を保全

預貯金など相手名義の財産も、結婚後のものであれば、夫婦が共同で築いた共有財産になります。離婚する際は、専業主婦の場合も、共有財産の1/2を財産分与として受け取ることが可能です。

別居期間中に勝手に財産を処分されたり隠されたりしないように、証拠として、通帳や相手の源泉徴収票、土地・建物の登記簿謄本、株・有価証券の勘定元帳、生命保険などの契約書などのコピーや写真を撮っておきましょう。

とはいえ、財産分与は離婚が成立した後でも可能ですから、身の安全を第一に考えて、こちらも無理のない範囲で行ってください。

【ポイント5】家を出て行くことは事前に伝えない

DVを理由に別居する場合は、相手に告げずに勝手に家を出ても、調停や裁判に際してあなたが不利になることはありません。離婚を告げるときと同様、身に危険が及ぶ可能性が非常に高いため、相手に分からないように慎重に行動することを心がけてください。

■押さえておきたい別居後の2つのポイント

【ポイント6】接近禁止命令の申し立て

接近禁止命令とは、DV防止法にもとづいた保護命令の一種です。地方裁判所への申し立てが認められると、あなた自身やあなたと同居する子どもに、相手が近づくことを禁止できるようになります。別居後も相手の暴力や暴言にさらされる危険が大きい場合は、検討してみてください。

【ポイント7】婚姻費用分担請求調停の申し立て

婚姻費用とは、婚姻期間中の生活費のこと。相手にあなた以上の収入があれば、家庭裁判所に請求することで、離婚が成立するまで生活費を支払ってもらえます。

婚姻費用分担請求調停での決定には、強制執行力があることもポイント。万が一決定に従って生活費を支払ってもらえなければ、相手の給与の1/2までを、将来もらえる分に関しても一括で、差し押さえることが可能になります。

もっとも避けるべきなのは、1人で悩み、問題を抱え込んでしまうこと。親がDVを受けている環境下では、子どもの健全な成長にも影響を及ぼすでしょう。

一刻も早く弁護士などの専門家、各種窓口へ相談し、適切な指示のもとで離婚を進めて行ってください。

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