人材が育たない……。若手社員が次々と辞めていく会社に共通する問題点とは

労働基準法や労働契約法といった法律に違反しない労働環境を整えること。これは、若手社員に限らず、企業にとって貴重な人材が辞めていかないために、最低限クリアすべき条件です。

その上で、「若手が次々に辞めていく」「人材が育たない」といった問題を解消するにはまず、若手社員がどういった意識を持って仕事に取り組んでいるのかを把握し、企業の価値観を押し付けていないかどうかに思い至ることが重要です。

■若手社員との価値観のズレに気づいてる?

ベテラン社員と若手社員の仕事や会社に対する価値観のズレとしてもっとも大きなものは、若手社員には「終身雇用」という考え方がない点です。若手社員にとって、会社は「一度入社してしまえば将来安泰」なものではありません。

そのため、従来のような“会社に骨をうずめる”といった価値観は持っていないことが多いですし、将来に対する不安感もより強くあります。この会社に長くいても将来性がないと判断すれば、転職は若手社員にとって有益な選択肢のひとつになるのです。

意外に思われるかもしれませんが、そういった価値観が根底にあるからこそ、むしろ若手社員のほうが、キャリア形成や自己成長には意欲的です。業務の中からさまざまな知識や経験を積んでいくことができ、自身のスキルや成長が正しく評価され、ステップアップして行ける土壌がある会社は、若手社員にとって「ここで働きたい」と思える魅力的な企業に映ります。

■若手社員が続々と辞めていく会社に共通する3つのこと

「若手社員が次々と辞めていく……」という企業は、そのような若手社員の仕事に対する価値観や意識に目を向けることができていないのかもしれません。たとえば、「うちの会社はこうだから」といった、次のような価値観を押し付けてはいないでしょうか?

【仕事は「見て・やって」覚えるもの。社員教育がおざなりになっている】

若手社員が次々に辞めていく企業の特徴として、若手を育てようという意識の低さが挙げられます。入社したての頃は誰であれ、「何がわからないのかもわからない」状態です。そのような新入社員に「見て盗め、とにかくやって覚えろ」といっても、当然ながら限界があります。

とにかくやれといわれたからやってみたものの、わからないからミスをする、ミスをすれば叱責される。そのような環境では、仕事を覚えるどころか萎縮してしまいます。入社したての社員に向けた研修制度の充実などにも目を向けるとともに、先輩社員が自分の業務に手いっぱいで、若手の教育に意識が向かないような環境になっていないか考えてみましょう。

【若手は叱って伸ばすもの。否定のコミュニケーション文化が社風になっている】

前項と重なる部分がありますが、若手社員が長くいづらい職場環境として“否定のコミュニケーション文化”が当然のこととして成り立っている環境が挙げられます。

否定のコミュニケーション文化とは、ミスや失敗をすれば叱責し、常に物事の悪い部分を捉えようとすることです。反対に、肯定のコミュニケーション文化とは、ミスや失敗から次につながる改善点を見出し、常に物事のよい部分を捉えようとすることです。

「若手は叱られた分だけ成長する」と考えているベテラン社員は少なからずいますが、ミスや失敗から学ぶことは大いにあっても、叱責から得られるものは決して多くありません。ただ頭ごなしに叱りつけられるだけでは、何が悪かったのか、どのように改善すればよくなるのかがわかりませんし、「怒られてしまった」というネガティブな感情だけが残ります。

結果として、若手社員はますます萎縮してしまうでしょう。そのような職場環境では、若手社員ならではの視点から、新たな提案や議論が生まれることも期待できません。

【仕事量をこなしてこそ意味がある。その仕事、本当に生産性はありますか?】

さらに、若手社員が敬遠する企業に特徴的なのが、若手が仕事をこなす量ではなく仕事の質や効率性を重視しようとすると、「ラクをしている」と捉える風潮があることです。

生産性に意識を向けずただ量だけをこなし、毎日残業を頑張っている社員が、本当に会社にとって必要な人材でしょうか?社員1人1人の残業時間が増えれば増えるだけ、会社全体として業務効率が悪くなるだけでなく、人件費も無駄にかかります。

企業としてこれまで積み上げてきたことももちろん大切ですが、たとえば、IT技術など時代のニーズに合わせて新たな価値観をとり入れ、改善していくべきところは見直していかなければなりません。ベテランだから、新人だからという固定概念にとらわれず、より広い視野で物事を捉えようとする意識が重要です。

今回挙げた問題点はあくまでも一例であり、改善すべき点は個々の企業によって異なるはずです。こちらの記事も参考に、若手に長く働いてもらうために必要なことを検討してみてください。

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