ボーナスの上司査定に不服あり! 救済は可能?

「ボーナスについて、上司の査定と評価に納得できない…。不服申し立てをすることは可能?」

予定通りの金額のボーナスが支給されれば問題ありませんが、予想していた金額より大幅に下がって予期せぬ落とし穴にはまる場合も…。このような場合、雇われた身としては泣き寝入りするほかないのでしょうか。ここでは、ボーナスの上司査定について、不服をどう解消するか、その対処法をご紹介します。



■ボーナス(賞与)を払うべき義務はない?

●ボーナス(賞与)とは?

通達によれば、ボーナス(賞与)とは「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないもの」とされています。

つまり、労働基準法における「賃金」とは異なるわけです。同法で「賃金」とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対象として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と明記されています(労働基準法11条)。

賃金であれば、労働者の生活を支えるという側面から、最低賃金や全額払いなど、細かな原則が幾つか決められています。

しかし、ボーナス(賞与)は、功労報償的な側面や、将来の労働に対する期待などの表れと捉えられ、「賃金」のように、本来、会社が支払うべき義務があるわけではないのです。

●ボーナス(賞与)を支払う必要がある場合

ただ、注意すべきは以下の場合です。

・雇用契約の内容にボーナス(賞与)の具体的な金額などが含まれている

・就業規則に具体的なボーナス(賞与)の支給基準などが定められている

例)給料の○ヶ月分

・労使協定で別途、具体的なボーナス(賞与)の支給基準などが定められている

上記のような場合には、企業には記載された内容のボーナス(賞与)の支払い義務が生じます。

なお、どのような基準で支払うかを決めることに対して、企業に裁量があることを忘れてはなりません。



■ボーナス(賞与)の支給要件を知ろう!

不服の申し立てを検討する前に、まずは勤務先の就業規則などを確認して、ボーナス(賞与)の支給基準などを把握することをお勧めします。

予め支給時期や支給金額が就業規則などに記載されている場合は、その金額を支給されなければなりません。一方的な減額が行われたのであれば、労働条件の変更となるため、従業員の同意がなければ無効です。減額は許されないことになります。

一方、就業規則にボーナス(賞与)の記載があったものの、抽象的で金額が確定されていない場合には、「査定自体が適切か」との問題となります。

例)

・会社の業績によって支給金額を決定する

・勤怠や業績評価などを勘案して支給金額を決定する



■ボーナス(賞与)の上司査定に不服がある場合にできること

それでは、ボーナス(賞与)が上司の査定により減額となっている場合、対処法はあるのでしょうか。

●ストレートに上司に査定の理由を開示してもらう

どのような理由で賞与(ボーナス)が減額となっているのか、上司に人事評価の査定内容の開示を求めましょう。

通常は、人事評価のフィードバックがなされ、賞与(ボーナス)が減額されるのであれば企業側は合理的な理由を説明するはずです。

中には、査定につき納得したかなどの返答を義務付けている企業もあります。きちんと手順通り行われているのか、不明であれば人事部への問い合わせも検討してみてはいかがでしょうか。

なお、評価基準も上司の査定だけではない場合もあります。人事評価制度も様々な手法で行われており、360度評価などは、上司だけでなく同僚が評価するという場合もあります。

評価基準についても、不明であれば確認する必要があります。

ポイントは、評価基準が明確で、主観的な要素が入らないものであれば、不当査定とは言いにくいでしょう。例えば営業成績の数値などは、算定方法に問題がない限り、客観的な要素といえます。客観的に合理的な理由もなく、「上司の好き嫌い」など主観的要素で査定を下げていると推測できるのであれば、不当査定の可能性があります。

また、自分だけ異なる評価基準など、合理的理由もなく明らかに他者と比較して取り扱いの差異がある場合も、不当査定に当たる可能性があります。

●人事評価権を濫用している可能性があれば、パワハラとして相談する

上記の確認をした結果、明らかに人事権の裁量を逸脱しているなどの不当査定に該当する可能性のある場合は、企業の中のパワハラの相談窓口を利用することも考えられます。

企業の相談窓口が利用しづらいのであれば、都道府県労働局の相談窓口や、法律の専門知識を持つ弁護士などへ相談することも検討してみてはいかがでしょうか。

●都道府県労働委員会の「個別労働紛争のあっせん」を利用する

不当査定について裁判を起こすまでもなく、無料で利用できる制度があります。

各都道府県労働員会の「個別労働紛争のあっせん」です。

職場での労働者と事業主(使用者)との間で発生するトラブルに対して、労働問題の専門家である委員が、当事者双方から事情や主張を聴いて、折り合いをつける手助けをする制度です。賃金、解雇、配置転換など労働条件に関係してのトラブルに対応できます。

こちらも検討してみてはいかがでしょうか。



不当査定に該当するかは、法律の専門的な知識が必要となるため、早めに弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

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