孫を相続人にする方法!徹底解説

「自分が死んだあと、かわいい孫になんとしても相続させたい。どうすれば良いのか…?」

これまで苦労して築き上げた財産を、家族の一員でもある孫に相続させたいという方もいらっしゃるでしょう。

ただ、孫は、本来、法律で決められた相続順位が優先的ではなく、何も手を打たなければ相続させるのは難しいといえます。そこで、今回は、孫に遺産を相続させるための方法、特に今から準備できることを、幾つかご紹介します。



■何も対策をしなければ、相続ってどうなるの?

そもそも、遺産を遺す故人本人が何の対策もしていない場合、遺産は誰が引き継ぐのでしょうか。

民法では、遺産分割によって争いが起きないよう、予め財産を相続できる人を定め(法定相続人)、「相続の優先順位」と「相続の割合」を、下記の通り定めています(民法900条)。

・第1順位:直系卑属(子)1/2の割合 ・ 配偶者1/2の割合 

・第2順位:直系尊属(父母や祖父母など)1/3の割合 ・ 配偶者2/3の割合

・第3順位:傍系の血族(兄弟姉妹や甥・姪など)1/4の割合 ・配偶者3/4の割合

※第1順位の相続が行われれば、第2順位以下の相続はありません。

ここで注意すべきは、孫が相続の優先順位の中に出てこないことです。

第1順位の子が既に死亡していれば、子の直系卑属である孫が代わりに相続します。これを「代襲相続」といいます。

この場合に限っては孫に相続させることができますが、あくまで、子が既に死亡している場合などになります。

そのため、孫に遺産を相続させるためには、何らかのアクションを起こさなければならないのです。



■遺言で孫に相続させる

法定相続人以外に、遺産を相続させる場合の一般的な方法としては、遺言を遺すことが挙げられます。

遺言とは、故人の意思をその死後に実現させる制度です。つまり、故人の意思ともいえる遺言の内容は法律上優先され、法律で定められた相続人や相続の割合にかかわらず、故人は自分の財産を好きなように処分することを指定できるのです。

ただ、本来の法定相続人からすれば、予想に反して相続できず生活に困る可能性もあります。そのため、民法では、遺留分といって、最低限相続できる割合が決められています。遺言では、この遺留分を侵害しない程度で、遺言の内容が実現することになります。

なお、遺言は、遺書のように思いを綴るものではなく、法律によって決められた形式で行うことが必要とされます。遺言の種類によっては、形式が整っていなければ無効となる場合もあるので注意が必要です。

●遺言を遺した場合に、実際の相続の金額はどうなる?

具体的な事例に当てはめて、実際の相続する金額をみていくと分かりやすいでしょう。

例)被相続人(遺産5000万円)に妻と2人の子ども(A、B)、孫Cがいる場合

「孫Cに遺産のうちの1000万円を譲る」との遺言がある場合

まず、遺言の内容より、孫Cが1000万円を相続します。

相続財産は5000万円―1000万円となり、残りの「4000万円」となります。

法定相続の第1順位に該当します。

妻…1/2であるため 4000万円×1/2=2000万円

子ども(AとBの2人分)…1/2であるため 4000万円×1/2=2000万円

A、Bともに…2000万円を2人で分けるので、2000万円×1/2=1000万円

よって、妻は2000万円、子どもA、Bともに1000万円、孫Cは1000万円の金額を相続します。



■孫を養子にする

他にも、養子縁組をして、孫を法定相続人の中に含めるという方法もあります。

養子縁組では、実子がいる場合は1人までしかできないため、複数の孫がいる場合は実現が難しいですが、相続させたい孫が1人であれば、検討の余地があるといえます。

また、養子縁組をすることで、法定相続人が増えるため、相続税の基礎控除額もその分増加し、節税対策にもなる嬉しい効果もついてきます。

なお、養子は養親の相続の権利を持っても、もともとの実親の相続の権利を失うわけではないので、単純に両方の権利を持つことになります。

ただ、養子縁組を行うことで、他の相続人の遺産分割の割合が少なくなるため、事前に他の相続人に説明するなどの工夫が必要です。

■相続を待たずに孫に生前贈与する

相続という方法ではありませんが、生前に孫に贈与することも可能です。

通常であれば相続も贈与もそれぞれ税金がかかりますが、贈与の暦年課税の場合では、1年間に贈与された財産の合計額で贈与税を算出するため、年間110万円までは非課税となります。

なお、贈与は何回でもできるため、毎年、孫に110万円までの生前贈与を継続して行うことも方法の1つといえるでしょう。



どの方法が一番良いかは、一概にはいえません。というのも、それぞれの家族関係には個別の事情があるからです。ただ、全員が可能な限り納得すること、これが一番重要だといえます。孫に相続させたい一心だったとしても、結果的に孫の立場が悪くなるようでは、本末転倒です。様々な選択肢から、円満に遺産相続ができるよう、弁護士などの専門家に相談することも検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事