妊娠を理由に退職!失業保険の手続きを解説します!

退職の理由は人それぞれです。ただ、どのような理由であっても、やはり真っ先に、日々の生活費の捻出が心配となるでしょう。このような失業者の心配に応えるために、国は、失業保険(雇用保険)の基本手当の給付制度を設けています。

それでは、妊娠を理由とした退職でも、この基本手当を貰えるのでしょうか。

ここでは、失業保険の制度内容と、給付されるための要件、そして、気になる「妊娠での退職の場合の失業保険の手続き」について説明します。



■失業保険の受給要件とは?

失業保険(基本手当)は、失業しても安定した生活をしながら、1日も早く再就職できることを目的に支給されます。そのため、失業保険には、下記の受給要件が設定されています。

具体的には、

①原則、離職(失業)の日以前の2年間に被保険者期間が通算12か月以上であること

被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1か月ごとに区切っていた期間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月と計算され、要件に合致するか判断されます。

なお、倒産・解雇等の理由により離職した場合などは、この要件が緩和され、離職前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上必要となります。

②雇用の予約や就職が内定及び決定していない「失業の状態」にある

ここでいう、「失業の状態」とは、次の条件を全て満たさなければなりません。

・積極的に就職しようとする意思がある

・いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)がある

・積極的に仕事を探しているにもかかわらず、現在職業に就いていない

●妊娠を理由の退職は受給要件に該当する?

失業の状態には、就職する意思や就職できる状況が必要です。

結論からいえば、妊娠のため今すぐ就職できる状況でない場合には、失業保険の受給要件に該当しません。

ただ、注意すべきは、すぐに就職できない現時点での結論です。

というのも、妊娠初期の段階でまだ働ける場合や、出産後すぐに働こうとしている場合には、働く意思や働くことのできる状況が認められれば、受給することができるのです。

■妊娠した場合の失業保険の手続きはどうすればいいの?

それでは、妊娠した場合における失業保険の手続きはどうすればいいのでしょうか。

●失業保険の一般的な手続きとは?

通常であれば、受給資格があるかどうかの決定を受けなければなりません。

そのためには、住居を管轄するハローワークに行き、「求職の申込み」を行う必要があります。この際、「雇用保険被保険者離職票(1、2)」を提出します。

ハローワークでは、以下のことが確認されます。

・受給要件を満たしているか

・離職理由についての確認

これらを確認後、受給資格が決定し、その後、説明会参加、求職活動、失業の認定、受給という流れになります。

なお、失業保険の受給金額、支給日数は一律ではなく、個人で異なります。失業保険の基本手当日額はこれまでの給与をベースに計算され、給付日数については被保険者であった期間、年齢、離職理由などによって変わります。

●失業保険の受給期間には制限がある

ただ、失業保険には、給付を受ける期間に制限があります。

受給できる期間は、原則として離職(失業)日の翌日から1年間となります。                     

ここで注意すべきは、仮に給付日数分の金額を全て貰っていなくても、期間経過後は基本手当が支給なされません。

●受給期間の延長の申請を忘れずに

それでは、妊娠してすぐには働けない場合はどうすればいいのでしょうか。

妊娠を理由に退職した場合、妊娠の時期によりますが、働くことのできる状況となるには、失業保険の受給期間の1年間という制限を超える可能性が高くなります。

このような場合には、受給期間の延長という制度があります。

具体的には、病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由で、引き続き30日以上働くことができない場合には、その働くことのできない日数分だけ、丸ごと受給期間の延長が可能なのです。なお、延長できる期間は最長で3年間となります。

延長措置の申請は、引き続き30日以上職業に就くことができなくなった日の翌日以降、延長後の受給期間の最後の日まで行うことができます。ただ、申請が遅ければ、受給期間が先送りになって余計に長く延長されるわけではありません。受給期間まで残り1週間日に申請すれば、1週間分しか基本手当は貰えないので、注意が必要です。

なお、申請に関してはハローワークで行いますが、代理人又は郵送でも可能です。



現在妊娠中で働けない場合は、失業して30日経過後すぐに、ハローワークに行くことをおすすめします。

そこで、出産後は働く意思があることなどをしっかりと説明し、受給期間の延長の措置を取るとともに、実際の求人状況なども確認してみてはいかがでしょうか。

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