必見!正しい遺言書の書き方を伝授

「遺言」を遺すことは、自分のこれまでの人生と向き合うことです。

どのような財産があって、誰に相続させるのか、財産のこと、身分に関することなど、心残りがないように、自分の想いを形にして遺すわけです。

しかし、せっかく書いた遺言書に不備があって無効となれば、その想いも報われないことになります。

そこで、今回は正しい遺言書の書き方を、遺言の基礎知識に触れながら、新しい法改正の内容も含めて解説します。



■遺言とは?

「遺言」とは、故人の意思をその死後に実現させる制度で、遺言の内容は法定相続よりも優先されます。満15歳以上で意思能力があれば作成することができます。

遺言の方法は何種類かありますが、代表的なものとして、下記の2つがあります。

・自筆証書遺言(自分で書く遺言)

証人も不要で、自分一人で作成することができる

費用もかからず、遺言そのものの内容も知られることはない

形式の不備があれば無効となる可能性がある

紛失や偽造の恐れ、保管場所によっては発見されない恐れがある

・公正証書遺言(公証役場で公証人に作成してもらう遺言)

2名の証人が必要

公証役場で作成されるため、効力は確実といえる

手間と費用がかかる

証人に遺言の内容が知られる

自筆証書遺言も、公正証書遺言も、遺言の書き直しや撤回が何度でも可能で、方式を変更することもできます。この場合、日付が新しい方が優先されるので、注意が必要です。



■正しい自筆証書遺言の書き方

ここでは、自筆証書遺言に焦点をあてて、書き方のルールを説明します。

●自筆で全文、日付、氏名、押印の4つが必要!

自筆証書遺言は、民法で定められた形式に従って、下記の4つの項目を自分で書く必要があります。

ⅰ全文

ⅱ日付

ⅲ氏名(フルネーム、特定できればペンネームでもOK)

ⅳ押印(認印、三文判、拇印でもOK)

「自筆」と名のつく通り、自筆のみの遺言書が有効となり、どのような事情であれ代筆は認められません。パソコンで作成した遺言や、遺言内容の口述を録音したもの、ビデオで撮影したものも、自筆証書遺言とは認められず無効となります。

また、遺言は一人で行い、共同遺言なども無効となります。

●形式は自由だが、訂正方法にはルールがある

自書以外については、決められた形式はありません。

ただ、削除や訂正については、手順が民法に定められ、反すれば削除や訂正の効力がないので注意が必要です。

実際の方法としては、削除や訂正箇所を二重線で消して、その上に押印します。そして、欄外に変更場所と変更内容を記載して署名するという流れです。

なお、押印の際には、変造と思われないように同じ印鑑を使用することが望ましいです。

●封筒の外に書くこととは?

変造防止のため、遺言書と同じ印鑑を使用して封印しましょう。

なお、封筒の外側には以下のことを明確に書くことをおすすめします。

・遺言書であること

・発見次第、開封せずに家庭裁判所へ行って、検認を受けること

自筆証書遺言の場合、家庭裁判所の検認(本人が作成したことを確認し、認定する行為)が必要なので、このような指示書きをしておくことが賢明です。

●「財産目録」について、自筆証書遺言の方式の緩和

「自筆証書遺言の方式の緩和」が、平成31年1月13日に施行され、例外的に、自筆証書に添付する「財産目録」は自書しなくても構いません。

なお、自書でない財産目録については、各頁に署名押印をする必要があります。また、訂正の場合も、自書による部分の訂正と同様に行わなければならず、注意が必要です。

●自筆証書遺言の保管場所を考えよう

遺言書保管法により、法務局において自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度が、平成32年7月10日より始まります。ただ、それまでは自分で保管する必要があります。

例えば貸金庫など、紛失や偽造などを防止するとともに、信頼できる知人に保管場所を伝えておくことも、選択肢の一つといえます。



■遺言を書く際の注意事項

無効にはなりませんが、意義のある遺言書の書き方をご紹介します。



●遺言は議論や解釈の余地を残さない

様々な解釈ができるような言葉を使用せず、明確に書きましょう。

また、曖昧な内容や抽象的な内容も避ける方が良いです。

ポイントは、相続人同士が話し合いで決める余地を残さないことです。

例えば、遺産分割の場合、具体的な財産を指定して分割する方が確定的であり、議論の余地を残さないといえます。



●「付言事項」を積極的に活用する

遺言の内容が相続人間で不公平な場合は、その理由をしっかりと説明しましょう。「付言事項」として書けば、相続人の方々も理解できるのではないでしょうか。



遺言書なんてまだ遠い先のことだと思っている方も多いと思います。これを機に、正しい遺言書の知識や書き方にふれてみたり、ご家族と話し合ってみてはいかがでしょうか。

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