アルバイトが無断欠勤した!バイト料は支払うべき?

猫の手も借りたい繁忙期、にもかかわらず、アルバイトとは連絡が取れず…。

通常は、アルバイトが働いてくれることを予定して、毎日の業務の割り振りを行います。やむを得ない事情であれば、いざ知らず、予め欠勤が分かっていれば他のアルバイトに依頼することもできるでしょう。

しかし、無断欠勤となれば、突発的な対応を迫られ、通常業務もままなりません。こちらが損害を被っていると怒りたくなる気持ちを抑え、本当にバイト料を支払う必要があるのでしょうか。ここでは、無断欠勤とバイト料の発生について、ご説明します。

■労働時間に応じて、バイト料を支払うべき

無断欠勤したアルバイトに対して、これまでのバイト料は支払う必要があるのでしょうか。

社会人として、無断欠勤はあるまじき行為です。学生という身分であっても、働いて給与を得る以上、社会人としても振る舞いが必要となります。

そのため、無断欠勤という非常識な行動により、予定されていた業務に穴があき、少なからず予定していた業務ができないと怒るのも無理はありません。しかし、道徳的な視点ではなく、あくまで法的な視点で物事を見る必要があります。法律においては、いったんその怒りを横に置いて、冷静に判断すべきなのです。

まず、無断欠勤したアルバイトの労働状況を2つに分けます。無断欠勤した前後で考えると分かりやすくなります。

●無断欠勤前の労働について

無断欠勤前に労働が行われていた場合、結論としては、この労働に対しては、正当な対価として賃金が発生しています。

たまたま、無断欠勤があったからといって、無断欠勤前のそれまでの労働が消えてなくなるわけではありません。

そのため、労働時間、労働日数に応じて発生した賃金であるバイト料を支払う必要があるのです。

●無断欠勤後は労働していない

当然のことながら、無断欠勤した勤務予定の時間に関しては、労働がありません。

そのため、賃金も発生しておらず、バイト料を支払う必要はありません。

■就業規則に罰則的はある?

ただ、会社には独自のルールが定められている場合があります。

それが就業規則といわれるものです。

例えば、無断欠勤すれば、具体的な罰則があることが予め決められており、これが周知されていた場合には、もちろんアルバイトも従う必要があります。

実際に、無断欠勤に対しては、「罰金」「制裁金」などという形式で「給料の減額(減給)」を定めている会社もあります。

●注意すべきは「労働基準法91条」の減給の制限

就業規則に罰則を定めていても、あまりにも厳しい内容では、立場の弱い労働者が虐げられてしまう恐れがあります。

そのため、労働基準法では、罰則の内容に制限を定めています。

具体的には、1回の減給金額は平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、また、複数回の違反でも、減給の総額が一賃金支払期における金額(月給なら月給の金額)の1/10以下でなければなりません(労働基準法91条)。

今回のケースでは、就業規則などで「罰金」や「制裁金」として「給料の減額」が定められており、労働基準法91条の制限内の減給であれば、バイト料から差し引くことができます。

■音信不通となった場合の対処法

それでは、無断欠勤が続き、アルバイトが音信不通となっている場合には、どのような対処が必要でしょうか。

どのような事情にしろ、無断欠勤をした相手方は気まずいでしょう。責められる、怒られる、文句を言われるなどと考え、電話に出なかったり、連絡が取れなくなったりする場合も考えられます。

しかし、会社側としては、制服や備品などの返却の催促や、これまでのバイト料の支給などの連絡が必要となります。

そのため、何回か連絡を取っても、一向に音信不通の場合には、会社側が連絡を取ったという証拠を残しておくことをお勧めします。

具体的には、「内容証明郵便」などで、給与を支払う意思があることを、しっかりと表しておけば、給与の未払いを訴えられたとしても、対応することができます。

アルバイトが無断欠勤した際は、ひとまず冷静になることです。

怒りにかられた暴言や恫喝とも捉えられるような態度や言動は控えましょう。万が一、SNSなどで拡散されることも含めて、会社側も自己防衛が必要です。あとで退職となった際の手続きがスムーズとなるよう、冷静な対応をお勧めします。

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