隠し子がいた?相続権はどうなるの?

相続では、なかなか生前では分からなかったことが、表に出てくることも…。

そのうちの一つが、見知らぬ相続人です。全くのあかの他人に財産を譲るとの遺言内容で、愛人の存在が分かったという場合や、相続人の調査で隠し子が判明した場合が挙げられます。

さて、今回のケースは隠し子です。親や配偶者に隠し子がいた場合、隠し子には相続権があるのでしょうか。

ここでは、隠し子の相続権についてご説明します。

■相続人とは?

故人の遺産は自由な意思で処分や分配を行うことができます。そのためには、自分の意思を遺して周囲に示す必要があり、その役割を担うのが遺言です。

こうして、遺言により、自分の財産を誰に分割するか、指定することができます。

しかし、故人が遺言書を作成していない場合は面倒なことになります。

一体、誰が遺産を引き継ぐのでしょうか。

民法では、遺産分割によって争いが起きないように公平の見地から、また、残された家族が生活に困らないように配慮して、予め財産を相続できる人を法定相続人として定めています。そして、相続人間での「相続の優先順位」と各人が遺産を受け継ぐ「相続の割合」を、下記の通り定めています(民法900条)。

・第1順位:直系卑属(子)1/2の割合 ・ 配偶者1/2の割合 

・第2順位:直系尊属(父母や祖父母など)1/3の割合 ・ 配偶者2/3の割合

・第3順位:傍系の血族(兄弟姉妹や甥・姪など)1/4の割合 ・配偶者3/4の割合

※第1順位の相続が行われれば、第2順位以下の相続はありません。

■隠し子は子として相続人となりうるのか?

それでは、突然、故人の隠し子が現れた場合、果たして隠し子は、相続人となることができるのでしょうか。

まず、民法には子とだけ書かれています。

ただ、子には、2つのパターンがあります。

・結婚している相手との間にできた子である「嫡出子」

・婚姻関係のない相手との間にできた子である「非嫡出子」

結論からいえば、「嫡出子」「非嫡出子」ともに子として相続人と認められています。ただ、これまでは相続分の割合が異なっていました。非嫡出子は嫡出子の1/2という不平等な取り扱いがなされてきたのです。

しかし、2013年9月4日の最高裁判所の違憲判決に伴い、民法の一部が改正され、現在では、嫡出子も非嫡出子も子には変わらないということで、相続分の割合も同じとなっています。

このため、隠し子が、婚姻関係のない相手との子である非嫡出子の場合は、故人に子どもが一人増えたと同様の結果となります。

つまり、子である相続人が一人増え、ほかの相続人の相続の割合がその分減ることになります。

●隠し子でも認知がカギとなる!

ただ、非嫡出子については、注意すべき事項があります。

非嫡出子全員が、子として相続人になるわけではありません。というのも、故人である父親が、自ら、隠し子を子として認めている必要があります。

これが「認知」といわれる制度です。

故人である父親が自分の子でないと主張しているにもかかわらず、相続人だと認めてしまえば、法律関係は複雑化し、混乱することとなります。

そのため、相続人となるには、故人が子として認める認知が必要なのです。

なお、認知の方法は、故人が生前に行っている場合だけでなく、遺言による認知であっても子として認められ、相続人となることができます。

■遺産分割後に隠し子が出てきたら?

それでは、遺産分割についての話し合いが終わったあとで、隠し子が出てきた場合はどうすればいいのでしょうか?

原則、相続人が一人でも漏れており、分割の話し合いに参加できていない場合は、無効となるので、協議を再度やり直す必要があります。

なお、父親である被相続人が死亡後に、認知の訴えなどで子だと認知されて相続人となった場合は、別途取り扱いが異なります。

遺産分割の協議をやり直さなくとも、ほかの相続人が、新たに子だと認知された相続人の相続分に応じた額を支払うことも可能です(民法910条)。

ポイントは、相続開始の手続きに入れば、必ず「相続人」の確認を行うことです。

予想外の人物が現れれば、混乱を招くことになるでしょう。このようなケースでは一先ず冷静になり、弁護士などの法律の専門家のアドバイスを仰ぐことをお勧めします。

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