熟年離婚が多いって本当?離婚と年齢の関係とは?

昨今、「熟年離婚」という言葉を耳にします。

結婚生活が短い場合の離婚は、「性格が合わない」などの理由によるのではと、何となく推測できます。一方で、長年、夫婦として結婚生活を営んできた場合であっても、離婚を選択する熟年夫婦がいるのも事実です。

ここで、果たして年齢や同居期間などは、離婚と全く関係がない?と疑問が出てきます。

そこで、今回は離婚と年齢の関係について、厚生労働省の「我が国の人口動態」のデータを紐解きながら、解説します。

■平成29年の離婚件数は21万2262組

厚生労働省の調査結果では、平成29年の離婚件数は21万2262組と、前年より4536組減少している状況です。

離婚件数については、昭和39年以降毎年増加していましたが、20年後の昭和59年より減少傾向となりました。その後、平成に入り増加に再度転じましたが、平成14年の28万9836組の最高件数を記録後、年々減少となり現在に至っています。

正直、このような数字を見ても、実際に離婚件数が多いのか少ないのか、分かりづらいところではあります。ただ、平成29年の婚姻件数は60万6863組なので、この数値と比較して単純計算した場合、3組に1組が離婚をしていることになります。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf

出典:厚生労働省 平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況 「図 11 離婚件数及び離婚率の年次推移」

■年齢別でみた離婚の傾向とは?

それでは、年齢別にみた場合の離婚の傾向はどのようになっているのでしょうか。

以下は、厚生労働省が発表した平成28年までの離婚件数の年齢階級別構成割合の年次推移のデータから抽出したものです。

・20歳代以下

戦後すぐは、離婚した夫のうち約50%、妻のうち約65%が29歳以下。

昭和50年代に急激に29歳以下の割合が低下、平成28年は夫・妻ともに戦後の割合の1/3の数値にとどまる。

・30歳代

戦後から30歳代の離婚者の割合が上昇し、その後は低下、上昇を繰り返し、平成19年以降は低下し、夫・妻ともに全体に占める割合の40%を下回る。

・40歳代

昭和40年代以降上昇傾向で、平成4、5年あたりから低下傾向だが、平成14年以降は再び上昇。近年は全体に占める割合が20%台となる。

・50歳以上

昭和50年代以降で夫・妻ともに上昇傾向、平成28年において全体に占める割合は、夫22.0%、妻14.7%となった。

つまり、戦後まもなくは若年層の離婚が非常に多かったですが、近年は29歳以下が減少、30歳代以上が上昇傾向にあります。

特に、注目すべきは、ここ10年で60歳代以上の離婚が上昇していることです。ただ、年齢だけでみても、例えば60歳で再婚などの場合も考えられるため、このデータでは一概に、熟年離婚が多いとは判断できないといえるでしょう。

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/81-1a2.pdf

出典:厚生労働省 平成30年 我が国の人口動態 夫・妻の年齢階級別にみた離婚件数構成割合の年次推移-昭和25~平成28年-

■同居期間別にみると同居期間20年~30年の離婚の割合が増加

ここでは、厚生労働省が発表した同居期間別離婚件数の年次推移をみていきます。

平成60年と、平成26~29年までの同居期間別の離婚件数を比較すると、ここ最近の離婚の特徴が非常に明確であるといえます。

というのも、同居期間5年未満、5~10年、10~15年、15~20年未満では、平成60年と平成26~29年の件数がそこまで大きく変わっていないのです。年により増減はもちろんありますが、大体同じ数値を前後している状況です。

しかし、同居期間20年以上の離婚件数は、昭和60年では20234組、平成29年では38235組と、およそ数値が2倍近くに上昇しています。

さらに詳しくみていくと、以下の衝撃的な数値が抽出できます。

・同居期間25年~30年未満

 昭和60年の離婚件数は4827組、平成29年の離婚件数は10129組

・同居期間30年~35年未満

 昭和60年の離婚件数は1793組、平成29年の離婚件数は4958組

・同居期間35年以上

 昭和60年の離婚件数は1108組、平成29年の離婚件数は5944組

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai17/dl/kekka.pdf

出典:厚生労働省 平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況 「表 12 同居期間別離婚件数の年次推移」

同居期間25年といえば、20歳代で結婚したと仮定すれば、ちょうど子育てが一段落した時期だといえるでしょう。

また、同居期間35年以上であれば、定年を迎える頃といえます。

つまり、今までがむしゃらに子育てや仕事に追われ、自分の人生を省みることができなかった状況から抜け出したところで、離婚が多くなっていると推測します。

本当にこの人と残りの人生を共に歩めるのか、その自問自答の結果、NOと判断した割合が大きくなってきているのです。

特に人生100年時代と言われる今だからこそ、我慢をこの先の長い人生することができないと決断したのでしょう。

ただ、それぞれの夫婦には個別の事情があります。年齢や同居期間だけをみて判断するのは早計かもしれません。

まずは、今後の人生について、夫婦の対話から始めるべきではないでしょうか。

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