労災申請に対する会社側の対応が悪い!何ができる?

「業務中にケガをしたので、会社へ労務申請をしたが、許可が下りないと言われた…。
どうすればいいのか?」

労災申請に対して、会社側の対応が悪いといった声を耳にします。労働者からすれば、労災申請の許可が下りるのと下りないのとでは、雲泥の差。

そこで、今回は、労災申請に対して会社側が拒否してきた場合に、選択できる方法をご紹介します。

■労災保険とは?

労災保険とは、労働者が、業務上または通勤によって災害に遭い(労働災害)、負傷や病気の発症、死亡した場合に、労働者本人やその遺族からの請求に対して、様々な保険給付を行う制度です。

●保険給付の内容

給付の内容は様々です。まず、労働者が気になるのは、病気やケガに対して支払われる治療費や休業した際の賃金などの支払いでしょう。以下がその2つです。

・療養(補償)給付…必要な治療費の給付(労災病院以外で治療を受ける場合)

・休業(補償)給付…休業1日につき給付基礎日額の60%の相当額の給付

(休業4日目から)

また、後遺症が生じた場合や死亡した場合には以下の2つが支払われます。

・障害(補償)年金・一時金、傷病(補償)年金、介護(補償)年金…後遺症などが生じた場合に支払われる

・遺族(補償)年金・一時金、葬祭料…死亡した場合に支払われる

■労災申請に対して拒否するには理由がある

それでは、労災申請に対して会社側が拒否をするとはどういう状態なのでしょうか。まず、労災申請の手続きからみていきましょう。

労災申請の手続きは、管轄の労働基準監督署で行います。

請求書に必要事項を記載して、労働基準監督署に提出します。受理されれば、労働基準監督署の調査が行われます。

これは、労働者からの請求内容が、「業務や通勤の際の労働災害といえるか」、休業であれば「休業を必要とするのか」などを調査するものです。この調査結果から、支給決定についての判断がなされます。支給決定となれば、労働者の指定口座に給付金額が振り込まれるという流れになります。請求から1ヵ月ほどかかるといわれています。

じつは、この請求書の記載事項の中に、「事業主の証明」という欄があります。

業務上や通勤によっての負傷や病気の発症という事実について、「間違いない」と事業主の署名が必要となるのです。

つまり、負傷や病気について、会社が労働災害だと認めない限り、署名してもらえないことになります。

会社側が労働災害と認めない理由は幾つかありますが、一番の理由は、労働者から別途「損害賠償」を請求されるかもしれないという懸念です。

例えば、業務上で負傷した場合、会社側には使用者として労働環境を安全に保つ義務(安全配慮義務)があり、これに反している可能性が高くなるわけです。会社自ら業務上のケガだと認めれば、追加で労働者本人から損害賠償を請求される可能性があるため、あえて自ら認めないことが考えられます。

■労災申請を拒否された場合でも申請できる

それでは、会社側に労災申請を拒否され、「事業主の証明」に署名をしてもらえなかった場合は、労働基準監督署に請求書の提出ができないのでしょうか。

結論からいえば、会社側に労災申請を拒否されても、問題はありません。

まず、労働災害かどうか判断するのは労働基準監督署です。そのため、会社側が労働災害だと認めていない場合でも、労働基準監督署へ請求書を提出することが可能です。

その場合は、「事業主の証明」の欄は空欄のままで、口頭で説明することになります。会社側に労災申請の協力を拒否されている状況だと説明すれば足ります。

なお、このようなケースの場合は、労働基準監督署は、拒否した会社に対して理由を明確にするために、「証明拒否理由書」の提出を要請し、会社側の言い分を確認することになります。

労災申請の許可を拒否されても、慌てることはありません。ご説明した通り、空欄であっても労働基準監督署では受理されます。

あくまで、労災申請に対して、客観的に判断するのは労働基準監督署です。

正直にケガをした状況などを記載し説明すれば、事業主の証明がなくとも可能だということを忘れずに、手続きをしましょう。

不安な方は、一度、弁護士などの専門家に相談をしてみてはいかがでしょうか。別途、会社側に対して損害賠償請求が可能かもしれません。

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