限定正社員の制度を解説!働き方はどうなるの?

会社という組織の中では、なかなか個人の希望を聞き入れてもらうことは難しいかもしれません。例えば、意に沿わない「転勤」。転勤や異動などの内示をみて、「地域に限定した」働き方ができれば…と嘆くことも十分考えられます。

しかし、じつは、「限定」という言葉がついた「限定正社員」という制度があるのは、ご存知でしょうか。

「限定正社員とはどんな働き方なの?」と、早速、興味がわいたことでしょう。

そこで今回は、限定正社員について、どのような働き方なのか、メリットやデメリットにも触れながら解説します。

■限定正社員とは?

「限定正社員」とは、勤務地、職務内容、勤務時間などが限定された正社員のことを意味します。厚生労働省では、このような限定正社員のことを「多様な正社員」という位置付けで、企業に広く普及するための促進を図っています。

そもそも、正社員とは一般的に、以下の3つの要件を兼ね備えています。

・労働契約の期間の定めがない

・所定労働時間がフルタイムである

・直接雇用者

一方で、限定正社員は、正社員と同じ福利厚生などの待遇でありながら、勤務地や職務内容、勤務時間などで、その範囲が限定されます。具体的には、転勤や部署移動などの配置転換がない、残業が免除されているなどが実例として挙げられます。

ただ、そのぶん、給与などにも正社員との差額が発生します。多くは正社員と比較して8割~9割の給与となるところが多いようです。

なお、「限定正社員」の具体的な事例として、以下のような働き方が挙げられます。

・全国転勤のない営業職

・地域限定店舗で勤務する販売員

・1日6時間勤務(短時間勤務)の事務職員

また、実際に限定正社員制度を導入している企業には、吉野家グループやりそな銀行、ニトリなど、大手企業の名前も見受けられます。

■限定正社員のメリット・デメリット

限定正社員の制度理由として挙げられるのが、非正規雇用社員の受け皿的な意味合いです。

不安定な地位での雇用ではなく正社員として働けること、また正社員と同じ福利厚生などを受けられるのも魅力といえるでしょう。

また、時短勤務などの勤務時間の限定正社員であれば、介護や育児などとの両立も可能となり、ワークライフバランスに資する働き方といえます。

地域限定であれば、転勤なども回避することができ、マイホーム購入も人生の選択肢として考えることができます。

企業側としても、勤務時間や地域を限定することで離職防止に役立ち、人材の定着、優秀な人材の確保が可能となります。また、地域に根差した事業展開など、より地域密着型のサービスや顧客確保が行えることもメリットといえるでしょう。

一方で、所属の労働事業所が閉鎖された場合に解雇が可能となるなどのデメリットも見過ごせません(もちろん直ちに解雇にはなりませんが)。

また、地域や職種が限定されているため、正社員との賃金差も生じます。また、限定正社員のシワ寄せとして、正社員はこれまでよりも転勤や長時間での労働が多くなるのではという指摘もされています。

これらのデメリットをどのように解消していくかが、今後の限定正社員制度の普及のカギになるといえそうです。

価値観の多様化に伴い、働き方にも幅が必要です。そんな労働者の要望に応えられるのは「限定正社員制度」の導入かもしれません。

ただ、導入の際は、労使間でしっかりとした話し合いが必要です。

2018年版労働経済白書によると、「限定正社員」の33.7%が、一般的な正社員と比較して、働き方や処遇につき不満を感じたことがあるとのこと。そのトップの理由が「賃金差」です。ただ制度だけを導入するのではなく、認識の相違がないように、労使間で話し合いを行うことをおすすめします。

関連記事