賠償請求できる?遊びに来た子どもが犬に怪我をさせた

子どもがいると、放課後や休日に友だちの家へ遊びに行ったり、友だちが自宅に遊びに来たりすることはよくありますよね。もしも、自宅へ遊びに来た子どもが自宅で飼っているペットの犬に乱暴してしまったら……。犬が怪我をしてしまった場合、子どもに責任をとってもらうことはできるのでしょうか?

ペットに関するトラブル件数

一般社団法人ペットフード協会「平成25年度全国犬・猫飼育実態調査結果」によると、平成25年の犬の飼育頭数は1087万2000頭、猫の飼育頭数は974万3000頭で、犬と猫を合わせると261万5000頭ものペットが飼育されています。そして、総務省統計局「人口推計(平成25年10月1日現在)」によると、日本の総人口は1億2729万8000人です。つまり、平均すると約6人に1人が犬または猫を飼育している計算になるから驚きです。

その一方で、平成24年度に国民生活センターに寄せられたペットに関する相談件数は2400件余り。ペットを飼う人の増加に伴い、ペットに関するトラブルも多く発生していることがわかります。

国民生活センターに寄せられたトラブルの内容としては、購入したペットが病気を持っていたので治療費を請求できるか否かなど、ペットを購入する際のトラブルや、動物病院での治療費をめぐるもの、購入したペット用品の返品をめぐるものなど多岐にわたっています。

ペットトラブルをめぐる裁判としては、数年前に有名人の犬が近所の住人に噛みつき、その住人が引っ越した結果、管理会社が有名人を訴えて多額の損害賠償が認められたケースもあります。

犬に怪我をさせた子どもに責任をとってもらうことはできる?

子どものすることとはいえ、家族同様のかわいいペットがケガをさせられるのは一大事です。この場合に問われる責任には「刑事責任」と「民事責任」があります。まず刑事責任については、犬は飼い主の物であることから、器物損壊罪に問われるかどうかが問題になります。犬を怪我させた子どもが器物損壊罪で罰せられるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 犬を怪我させた子どもが14歳以上
  • 故意をもって犬を怪我させた

一方、民事責任については、子どもが誤って犬を怪我させた場合にも民法上の規定にしたがって損害賠償請求を行うことができます。原則として、犬を怪我させた子どもが未成年である場合には、その子どもの親へ損害賠償請求ができます。

民事で損害賠償を求める範囲は?

では、犬を怪我させた子どもまたはその親へ、どのような範囲で損害賠償を求めることができるのでしょうか?

細かい範囲については個別に判断されますが、一般的には犬の怪我の治療に要した治療費や通院費が認められると考えられます。ただし、子どもが犬に乱暴するように飼い主側がけしかけた場合など、飼い主側に過失がある場合にはそれも考慮されます。

まとめ

このようなトラブルを防止するために、子どもが小さいうちはペットを飼っている家では遊ばせないルールを家で取り決めておくとか、子どもが遊びに来ている時間はペットを他の部屋に退避させるなど、トラブル回避策も飼い主として考えておく必要があるでしょう。

文:丹所美紀(行政書士)

参考:

  • 一般社団法人ペットフード協会|平成25年度 全国犬・猫飼育実態調査 結果(PDF)
  • 総務省統計局|人口推計(平成25年10月1日現在)
  • 独立行政法人国民生活センター|ペット

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