事故で入院……大学を休学、留年してしまったら賠償してもらえる?

「せっかく内定が決まっていたのに!」

交通事故による骨折で入院している間に、単位を落として大学を留年してしまったら、加害者にどのような請求ができるものなのでしょうか。特に内定が決まっていたような場合、非常に大きな影響が生じます。どのような損害まで賠償してもらえるのかを考えてみましょう。

損害賠償の基本的な考え方

交通事故で、どこまでの損害について賠償されるのかは、なかなか難しい問題です。ただ、簡単に言いますと、その交通事故が原因で生じた損害、つまり常識的に考えて、事故と因果関係のある損害ならば、賠償してもらえることになります。

休んでいる間の学費や翌年の学費はどうなる?

問題は「ここまでが交通事故の怪我によって生じた損害だ、と認めることができるのか」です。必ずしも損害が明らかではないことです。

骨折で入院していたために、試験を受けられず、単位を落とした場合は、比較的簡単に判断がつきます。因果関係が明らかだからです。そして、単位が取得できなかったことにより留年ともなれば、学費を賠償してもらえることになりそうです。

しかし、試験自体は受けることができたが、よい成績ではなかった、これは骨折のせいで十分な勉強ができなかったからだ、という主張をするとなると、どこまで因果関係があるのか問題になるかもしれません。なぜなら病院のベッドで寝ながらでも勉強自体はできたかもしれないからです。

就職が遅れた分の「休業損害」

事故の影響で留年になってしまい、就職が遅れた場合の損害も同様です。交通事故によって就職ができなかったことが明らかであれば、特に賠償請求することに問題は生じません。たとえば既に就職が内定していたような場合です。就職できた場合に得られたであろう賃金も賠償してもらえるでしょう。

その一方、この辺の因果関係が必ずしも明らかではない場合もあります。たとえ事故がなくても、就職できなかったのではと思われるような場合です。そういうときには、交通事故が原因の損害とは言えない可能性も出てきますので、損害賠償の有無はもめることになりそうです。

まとめ

このように、交通事故による入院と留年に因果関係がある場合は、損害賠償が認められます。しかし、なかには因果関係があると断定できないものもあり、損害賠償できるか否かはケースバイケースといえるでしょう。

文:大山滋郎(弁護士)

関連記事