どう違うの?個人へのカンパと物乞い行為

先日、ニュースで動画投稿サイトを使い、物乞い行為をしたとして、書類送検される事件がありました。個人へのカンパと物乞い行為、どのような違いがあるのでしょうか。

そもそも物乞い行為は罪になるの?

なぜ、物乞い行為は犯罪になるのでしょうか。また、どのような行為が物乞いとされるのか、ご存知でしょうか? 

物乞い行為が抵触するのは「軽犯罪法」です。軽犯罪法は、一定の行為をした者について「拘留又は科料に処する」としていますが、その処罰される者に「こじきをし、又はこじきをさせた者」も含まれるのです。そのため、物乞いとはいえども、犯罪になることに変わりありません。

では、「こじき」とは具体的にどのような行為を指すのでしょうか。「こじき」とは何であるかについて、厳密な定義はありません。ある裁判例では、個々の物乞い行為ではなく「不特定多数人に対し、ある程度反復継続的に物乞いすること」と解しています。また、辞典では「不特定の人に哀れみを乞い、生活に必要な金品を受けようとすること」と説明されています。

このように、「こじき」とは具体的にどのような行為であるかは、さまざまな考え方があるのです。しかし、前述の解釈や説明からすると、限定された場面で特定の人に対してお金などを乞うた場合には、物乞い行為にあたらないということになるでしょう。

個人へのカンパとの違いとは

では、個人へのカンパを募ることも物乞い行為とみなされ、処罰されてしまうのでしょうか。カンパは通常、友人などの特定の人にお願いすることによって行われます。また、カンパが行われるのは、窮地に陥っていた場合などに限定されています。それに何度もカンパを繰り返したり、哀れみを乞うような形でカンパを行ったりすることも稀です。

したがって、先ほど述べた乞食の解釈や説明で考えれば、個人へのカンパを募る行為は通常、物乞い行為とは異なるものですから、処罰はされないのです。

まとめ

軽犯罪法で処罰される物乞い行為とは、不特定人に対して、金銭などを乞う行為であり、カンパのような特定人に、限定された場面で助けを乞う行為とは異なります。しかし、友人からの温情によるカンパに味をしめて、カンパのお願いを定期的に行ったり、友人以外にも広くお願いしようとしたならば、これらは一般的なカンパと異なり、処罰されるような物乞い行為にあたるでしょう。書類送検された事件も、動画投稿サイトを使って不特定人に対して物乞い行為をし、かつそれを継続的に行っていた事件であったようです。このような場合は、処罰される物乞い行為にあたりますので、ご注意ください。

カンパは友人の温情で特別になされるものであると考えましょう。カンパは当てにするようなものではありません。

文:竹内亮平(弁護士)

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