「官報に掲載される」のはマズイこと?

自己破産や、個人再生などといった法的な借金整理をする際のデメリットとして、氏名や住所が「官報」に掲載されます。この官報に掲載されるということは、一体どんな意味があるのでしょうか。

目にする機会も少ない…そもそも官報ってなに?

そもそも「官報」なんて、聞いたことも見たことも無いという人の方が多数派かもしれませんね。官報とは、国のお知らせ文書だと考えてください。国はいろいろなことを、国民に知らせる必要があります。例えば、新しい法律が出来たときなどです。それまでは、問題なくできていたことであっても、新しい法律の下では罰せられる……なんてことはよくあります。そうしたトラブルを防ぐために「新しい法律が出来ました」と、国民に知らせる必要があるのです。官報とは、このように国民に一定の大切な事項を知らせるための、国からのお知らせというわけです。

官報ってどこで、誰がみるもの?

現在のように、テレビやインターネットが発達した時代であれば、国から国民へのお知らせを「官報」という紙面で行うというのは、何だか非効率的な気がしてしまいますね。テレビでCMを流したり、インターネットで情報を発信したりしたほうが広く知られるかもしれません。しかし、これはコミュニケーションの手段が限られていたときから行われているものなので、ある意味やむを得ないのかもしれません。

官報は、国立印刷局本局や東京都官報販売所などで掲示され、販売もされています。また、図書館にもありますので、それほど手に入りにくいものではありません。市役所や県庁といった役場に本を納品する書店でも取り扱いがあります。さらに最近では、官報の内容がインターネットでも掲示されるようになりました。Yahoo!やGoogleといった検索サイトで「官報」と入力して検索すると、国立印刷局が運営するインターネット版の官報を閲覧することができます。過去30日分まで、特別な登録をすることなく誰でも内容を見ることができるのです。

官報に載ることをためらう必要はある?

一般の人にとって官報が問題となるのは、破産や個人再生といった借金整理をしたときです。これらの情報は、官報に載ることになっています。つまり、自分の名前や住所が破産者として官報に載ってしまうということです。「知り合いに見られたらどうしよう」「子供が学校でいじめられるのでは」などといった心配をしてしまうかもしれません。

しかし、官報に載ることは、一体どの程度深刻に考える必要がある事態なのでしょうか。前述のとおり、そもそも官報というものの存在自体、知っている人は少数派です。仮に名前を知っていたとしても、仕事で必要な人でもなければ、わざわざ官報を定期的にチェックしているという人は、普通の国民にはまずいないでしょう。これは、官報がインターネットで見られるようになっても、同じ状況であると考えられます。

まとめ

官報に氏名や住所が載ってしまうのが、破産や個人再生のデメリットであると言われています。しかし、これらのことを考えると、官報に載るからといって近所の人や友人、親戚、同僚などに破産の事実が知られてしまう可能性は低いと考えてよいのではないでしょうか。つまり、デメリットを恐れて破産や個人再生といった借金整理をためらう必要は無いともいえるのです。

文:大山滋郎(弁護士)

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