交通事故で顔に大きな傷ができた…整形費用は負担してもらえる?

女性が交通事故にあい、顔に大きな傷ができてしまったら…。メイクでもごまかせない傷の場合、整形などで皮膚を元も戻すための手術をしなければなりません。こうした手術の費用を加害者に求めることはできるのでしょうか。

ケガが残ってしまった場合の後遺障害等級とは

まず、交通事故にあった場合には治療費の請求もでき、実際には保険から治療費が支出されます。交通事故で顔の傷が生じた場合、その治療に整形も必要であれば整形費用についても、相当な範囲で支払われることになります。

問題は顔の傷がある程度治ったとしても、完治とはいえない場合です。この場合をいわゆる後遺症といいます。保険などでは、後遺症のうち一定の程度以上であるものを後遺障害として、その度合いに応じてカテゴライズされています。このカテゴライズのことを、後遺障害等級といいます。

顔の傷の場合で「女子の外貌に著しい醜状を残すもの」は第7級、「男子の外貌に著しい醜状を残すもの」と「女子の外貌に醜状を残すもの」は第12級、「男子の外貌に醜状を残すもの」は第14級としてカテゴライズされています。

保険などでは、この後遺障害等級を規準として慰謝料と労働能力喪失率に応じた逸失利益が計算されて、支払われることになります。例えば、等級が第7級と認定されれば、慰謝料1000万円、労働能力喪失率56%、等級が第12級と認定されれば、慰謝料290万円、労働能力喪失率14%、等級が第14級と認定されれば、慰謝料110万円、労働能力喪失率5%とされています。

ただし、これらは弁護士が介入して裁判になった場合のひとつの目安に過ぎません。そこで、様々な事情から金額が上下します。特に、弁護士がつかなかった場合や裁判にならなかった場合には、調査や交渉などの労力が少なく、迅速に支払われるという事情もあることから、前述の規準よりも相当低い金額となってしまいます。

モデルや化粧品会社勤務など職業で賠償額は変わる?

さて、顔の傷を負った被害者が女優やモデル、化粧品会社勤務などである場合には、「顔」が一般の職業よりも重要な意味をもっています。こうした事情の場合には、賠償額は変動するものなのでしょうか。

後遺障害等級による労働能力喪失率や、慰謝料額は、あくまでひとつの目安に過ぎません。そのため、どのような職業についているかによっても、賠償額は変わってくるといえるのです。

まとめ

交通事故で顔の傷が生じた場合には、保険から、整形費用含めた治療費が相当な範囲で、出ますし、その傷の程度に応じた後遺障害等級が算定され、それに基づいて逸失利益や慰謝料が支払われます。ただし、それぞれの数値はひとつの目安なので、職業などによっても変わり得ます。単純に例を鵜呑みにしないよう注意が必要です。

文:竹内亮平(弁護士)

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