交通事故による「後遺障害」はどうやって判断するもの?

交通事故でケガをしてしまい、その後治療をしても完治せずに後遺症が残ってしまう場合もあります。損害賠償の対象となる後遺症を「後遺障害」と呼びますが、どのようなものがあるのでしょうか。

後遺障害が認定される手順

交通事故で後遺障害が残ってしまった場合、治療分として支払われる治療費、休業損害、慰謝料とは別に、後遺障害に対する損害賠償が行われます。交通事故での後遺障害に対する損害賠償としては、以下のものがあります。

積極損害

将来の介護費用や後遺障害が残った後も治療しないと状態が悪化する場合の治療費です。

逸失利益

後遺障害が残ったことにより収入が減少することとなる場合の補てん分です。

慰謝料

後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対するものです。

これらの損害賠償を受けるためには、交通事故による後遺障害がどの程度残っているのかということについて認定を受ける必要があります。この認定は、おおむね次のような手順で行われます。

  1. 被害者が医師の診察を受け、その結果を「後遺障害診断書」として受領
  2. 加害者が加入している任意保険会社に「後遺障害診断書」を提出
  3. 任意保険会社が損害保険料率算出機構に「後遺障害診断書」を提出し、同機構において認定

なお、加害者が任意保険に加入していない場合や、加害者が加入している保険会社が被害者からの請求に応じない場合は、被害者が自動車賠償責任保険(自賠責)に認定の請求を行うこととなります。

後遺障害の等級認定とは

交通事故による後遺障害といっても、その後遺障害の残り方には、軽い重いといった「程度」というものがあります。

後遺障害の程度を表すものとして、「後遺障害別等級表」があります。この等級表には、介護を要する後遺障害が残った場合の等級として第1級及び第2級、それ以外の後遺障害の等級として第1級から第14級までの、合わせて16の等級が定められています。

交通事故による後遺障害を認定する場合には、これらの16の等級のうち、被害者に残った後遺障害がどの等級に該当するのかを認定することとなります。この認定のことを「等級認定」といいます。

等級は、後遺障害による逸失利益と慰謝料の限度額を決めるために使われます。例えば、第6級に等級認定された方の逸失利益の限度額は1,296万円、第14級に等級認定された人の逸失利益の限度額は75万円などといった具合です。また、慰謝料については、自賠責の後遺障害保険金額だと、第6級に等級認定された人の限度額は498万円、第14級に等級認定された人の限度額は32万円となっています。

なお、交通事故による後遺障害の等級認定に不服がある場合には、加害者が加入する自賠責保険の保険会社に対して異議の申し立てをすることができます。

この場合、実際の審査は、損害保険料率算出機構の地区本部が行うこととなりますが、その地区本部の審査にも不服がある場合には、同機構の本部にある自賠責保険後遺障害審査会に審査を求めることもできます。

まとめ

交通事故による後遺障害の等級認定は、書面で行われることとなりますので、医師が記載する後遺障害診断書の記載内容が重要となります。自分では、大したことはないと思うようなことでも、診断書を記載する医師にしっかりと自分の症状を伝えることが大切になります。

また、等級認定の手続きに不安がある場合には弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

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