身上書や釣書(つりがき)に嘘があったら婚約破棄できる?

昔は必ず結婚に添えられていた身上書や釣書(つりがき)。最近は減りましたが、相手方の家族の住まいや職業・経歴などを記したこの身上書に偽りがあった場合、婚約破棄することはできるのでしょうか。

結婚のときに取り交わす、釣書や身上書ってなに?

昔は親が結婚相手を決め、結婚当日まで相手の顔も知らなかった……という話は珍しくありませんでした。いわゆる家同志が結婚話をすすめていく上で、お互いのプロフィールを知るために取り交わすための書類を「釣書」と呼んでいました。ちなみに身上書は釣書と全く同じ意味ですが、おもに関東出身の人は身上書といっているようです。

釣書には、当事者の学歴や職歴、家族関係などを記載して、家系図を取り入れる場合もあります。釣書によって、結婚する相手がどのような環境で育ってきたのか、それまでどういう人生を歩んできたのか、ある程度判断することができるのです。

お見合い結婚が少なくなってきている現代では、釣書を取り交わさないカップルも増えているようです。しかし、長い交際期間を経て結婚をする場合でも「これから親戚としてやっていく以上は釣書を取り交わしたい」と望む、昔堅気の親も少なくないといいます。

嘘偽りがあった場合、婚約破棄はできるの?

お互いに結婚を決めて釣書も取り交わし、着々と結婚準備が進められている中、釣書の内容に嘘があることが分かった場合、婚約破棄ができるのでしょうか。

例えば高卒なのに大卒だと嘘をついていたり、実際の職歴とは違うことが記載されていたりなどが挙げられます。

基本的に当事者同志が「将来結婚をして一緒に生活をしていこう」と約束しているのであれば、特に結納などの儀式を行なっていなくても、口約束だけで正当に婚約が成立していることになります。釣書を交換しているとなれば、立派にお互いに結婚の約束をしているとの判断でき、婚約が成立していることになります。そうなると、きちんとした理由もなく一方的に婚約破棄をすることはできません。

では、きちんとした理由があれば、婚約破棄したいという希望は通用するのでしょうか。

結論から言うと、正当な理由があれば婚約破棄はできます。ここで何が正当な理由に当たるのかが重要になってきますが、まず結婚生活を送る上で、相手に何を求めるかを考えてみましょう。誠実さ、生活の安定をあげる人が多いと思いますが、まさにそういったことを求めているからこそ、確認の意味で釣書を取り交わすのです。その内容に嘘があったと分かったら、その嘘が直接生活の安定を脅かすものではないにしても、相手の誠実さを疑う結果になることは明らかです。相手に不信感を抱きながら結婚生活を送ることは酷な話です。つまり、この場合に婚約破棄したいということは、正当な理由に当たると判断され、たとえ相手が婚約破棄に納得しなくても、慰謝料を支払う必要はありません。

まとめ

「釣書を出してほしい」。こうした話はなかなか切り出しにくい話です。特に、長い交際期間を経て結婚を決めたカップルにとっては「何をいまさら」と考える人も多いでしょう。しかし、これからの長い人生を共にする相手のことを知りたいのは当然のこと。釣書を通して今まで知らなかったことが見えてくるかもしれません。釣書は自分自身の証明書。ありのままを書いて、幸せな結婚の第一歩を踏み出しましょう。

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