配偶者の連れ子にも遺産の相続権はある?

厚生労働省が出している「平成27年我が国の人口動態(平成25年までの動向)」によると、平成25年に婚姻したカップルのうち、「夫妻とも再婚又はどちらか一方が再婚」であるのは17万3569組となっています。これは全婚姻件数の26.3%に該当します。結婚すると決めた相手方が再婚だったケースでは、その相手に子供がいることも考えられます。このように配偶者に連れ子がいるケースでは、将来自分が最期を迎えたときに配偶者の連れ子にも自分の遺産を相続する権利があるのでしょうか?

相続は血縁関係のある子どもだけ?

人が亡くなると、かならず相続の問題が発生します。相続とは、亡くなった人(被相続人)の財産上の地位を相続人が承継することをいいます。相続の対象となるものには、土地や建物などの不動産、現金、預貯金、自動車、株券などのプラスとなる財産のほか、借金などのマイナスとなる財産も含まれます。また、損害賠償請求権や特許権なども相続の対象となります。

民法では、被相続人の配偶者や子供など、一定の範囲の親族が相続人になると定められています。例えば、山田太郎さんと花子さん夫婦に、一郎君と二郎君という2人の子供がいたとします。この山田さん夫婦のうち太郎さんが財産800万円を残して亡くなったとしましょう。このケースにおいて、民法上定められた法定相続分どおりに相続するとしたら、奥様である花子さんは相続財産の二分の一となる400万円を、一郎君と二郎君は相続財産の四分の一ずつとなる200万円ずつを相続することになります。

では、このケースで、一郎君は花子さんの連れ子で、二郎君は太郎さんと花子さんとの間の子供だったとしたら、一郎君も二郎君と同じように太郎さんの相続人となるのでしょうか?

養子縁組をしておけば遺産を残すことができる

配偶者の連れ子が自分の子として相続人になるかどうかは、自分と配偶者の連れ子との間に「法律上の親子関係」があるかどうかにより異なってきます。この「法律上の親子関係」を作り出すのが養子縁組という制度です。

先ほどのケースで考えてみると、太郎さんが一郎君と養子縁組をしていなければ、太郎さんと一郎君とは単なる同居人という扱いになり、太郎さんが亡くなっても花子さんの連れ子である一郎君は太郎さんの相続人とはなりません。しかし、一郎君が太郎さんの「養子」となっていれば、太郎さんと一郎君は「法律上の親子」として扱われるため、一郎君も太郎さんの相続人の一人となるのです。

まとめ

自分が最期を迎えた後に遺産相続をめぐってトラブルになるのは嫌なものです。特に配偶者に連れ子がいる場合、夫婦間の子供と配偶者の連れ子との間で相続争いが生じることも考えられます。それを防止するために、配偶者の連れ子と養子縁組をして法律上の親子関係となるかどうかを考え、相続争いが起こらないように対策を立てておく必要があるでしょう。

文:丹所美紀(行政書士)

参考:

  • 平成27年我が国の人口動態(平成25年までの動向) 結果(PDF)

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