夫の実家と折り合いが悪くて離婚…姑から慰謝料はとれる?

人が離婚を選択するとき、様々な原因があります。それが、いわゆる「嫁・姑バトル」を超えた姑からの嫌がらせ、不当な干渉によるものだとすれば? 姑への慰謝料請求は認められるのでしょうか。

姑への慰謝料請求はできます

まず、離婚は当事者の自由意思により決定されるものである以上、第三者である姑に慰謝料請求は出来ないということが一見して考えられます。しかし、正当な理由もなく姑が嫌がらせなどを通じ、夫婦間に不当に干渉・介入して離婚を引き起こす場合があります。このような、いわゆる「嫁いびり」によって夫婦仲に影響を及ぼしたり、夫が仲裁もせずに一方的に母である姑の肩をもってしまい、不信感を募ったりした場合には、姑の行為が民法709条に定められた「不法行為」に該当します。その結果、嫁が負った物心両面においての損害を賠償する意味で、姑への慰謝料請求は可能になります。

裁判で勝つために準備しておくべきこと

「第三者」である姑に慰謝料請求するためには「当事者に婚姻継続の意思及びその実現への努力があるのにもかかわらず、婚姻継続を不可能にした」と言える程度の「違法性」が姑の言動に見受けられる必要があるということ。つまりは、姑の嫁に対する言動や行動が社会通念上常識を逸脱しているだけでなく、客観的に「違法な行為」を行っていると認められなければなりません。さらには、その行動が夫婦の離婚を主導的に引き起こしたと言えなくてはならないのです。

たとえば、度重なって嫁の人格を批難・攻撃しつづけることで、嫁が心療内科に通うことを余儀なくされ、結果離婚になったという場合や、家事や育児などの家庭内の仕事を取り上げて嫁の存在、家庭内の居場所を無くした挙句の離婚などが例として考えられます。

そして行為の「違法性」について裁判の際、被害を受けた側(嫁)が立証責任を負うのが原則です。この点、こうした事象が家庭内の事情により起きていることを考えると、身内以外の第三者からの証言を得ることが難しくなり、それでは客観性を欠いているとして裁判準備の証拠収集としては不十分になってしまいます。

そこで、このような不足を補強する手段として、日ごろから姑の嫌がらせや暴力などの不当な行為を日記や写真、映像などに詳細に記録しておく、もし精神的なダメージによって精神科にかかった場合には診断書をとっておくといった、客観的な証拠集めが必ず必要になります。

見てみぬ振りをした夫も許せない!

妻が自分の母親から不当に扱われていることを知りつつも、夫が見てみぬふりをするのは珍しいことではありません。妻と母親のあいだの関係性の修復を怠ったり、自分の母親の肩を持つような態度をとったりして妻を追いつめるということもあります。その結果、姑のいやがらせ行為を助長して当事者の離婚を招いたら、その夫の行動が「不作為」(放置しているという状態)による姑の不法行為への「共同」行為として夫へも連帯責任をとらせることは可能なのです。

まとめ

単なる「嫁・姑バトル」というレベルをもはや超えてしまい、常識を逸脱するような嫌がらせが続いたり、心身への暴力などによって心身に異常をきたしたりするようであれば当然ながら離婚を考えるでしょう。被害を受けた嫁が泣き寝入りすることなく、法に訴える手段があると知っておくことは、非常に重要であると言えます。そして、日頃どんな嫌がらせがあったか、証拠もきちんと残しておくのがポイントです。

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