風俗が大好きな夫、ついにはセックスレス…離婚できますか?

交際中から、風俗通いが大好きな夫。結婚してからも頻繁に通っているため、妻とはセックスレス状態になってしまっていました。妻は、こうした夫の嗜好を理由に離婚することができるのでしょうか。

離婚する方法は2種類ある

まず、離婚の方法は大きく分けて、協議離婚と裁判離婚があります。協議離婚というのは、結婚と同じように、お互いが合意によって離婚するものですから、今回の場合もご主人が離婚に同意すれば、離婚することが可能です。問題は、ご主人が離婚に同意しない場合です。この場合、裁判所によって強制的に離婚させてもらう「裁判離婚」しかありません。

離婚のための条件とは

では、裁判所はどのようなときに夫婦を離婚させることができるのでしょうか。お互いが合意によって結婚したものを、裁判所が強制的に離婚させるわけですから、夫婦のどちらかが一方的に「離婚したい」と思っていても、自由にできるわけではありません。そのため、裁判離婚はいくつかの場合に限定されています。

それが、不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、回復の見込みのない強度の精神病、その他婚姻を継続しがたい重大な事由の5つです。今回、主に問題になるのは、夫の風俗通いが、不貞行為に当たるかどうかでしょう。

風俗通いは不貞行為?

男性のなかには、「風俗は愛情がないから、不貞行為ではない」と断言する人もいますが、これは大きな間違いです。風俗は「浮気」ではない、という言葉が正しいかは、「浮気」の定義によるかもしれません。しかし、「不貞行為」とは、配偶者のある者が、その自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係をもつこととされていますから、風俗通いは少なくとも法律上の不貞行為には該当するのです。

ただし、一度の風俗通いですぐ離婚できるかというのはまた別の問題です。離婚するためには、不貞行為をしたというだけでなく、それによって婚姻関係が破たんしていることも必要です。

今回の場合で考えてみましょう。元から風俗通いが好きなのは結婚前からわかっていたわけですし、妻もある程度はやむを得ないものと、見て見ぬふりをしてきたのかもしれません。それが、急に別れるというのでは不意打ちになってしまいます。逆に、結婚の際に必ず風俗を止めると約束していて、結婚してからも止めないご主人に何度も注意してきた、という事情であれば、全く別の考慮が必要でしょう。

セックスレスは離婚の理由になる?

少し見方を変えて、セックスレスを理由に離婚はできないものでしょうか。結論から言えば、セックスレスは婚姻を継続しがたい重大な事由に該当する可能性があります。

もちろん、単にセックスレスだからといって、すぐに離婚が認められるわけではありません。しかし、セックスレスによって婚姻を継続することができないと認められれば、離婚の理由になり得るということです。

まとめ

風俗が大好きな夫と離婚できるのか否か……。今回の事案の結論としては、ご主人が風俗通いを止めないことと、夫婦間の性交渉が全くない(セックスレスである)ことの両方を合わせて、婚姻関係が破たんしていると主張することになるでしょう。

文:石崎冬貴(弁護士)

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