家族に内緒で自己破産はできるもの?

結婚4年目のAさん。昨年、マンションも買い順風満帆です。しかし、実は独身時代に作った借金が200万円ほどあり、夫に隠して返済しています。そろそろ子作りの話も出ていて、自分が会社を休職すると返済に支障が……。家族に内緒で自己破産したいけれど、できるものなのでしょうか。

夫に知られないよう、自己破産するには

破産手続きが開始しても、裁判所や関係者から直接家族の方へ連絡が行くわけではありません。しかし、弁護士に依頼せず破産手続きを進める場合は裁判所からの郵便物が自宅に届くため、郵便物を自分より先に家族が受け取る可能性もありますが、弁護士に依頼した場合は弁護士事務所に届くため、郵便物に関しての心配はなくなります。

しかし、Aさんのように同居する家族がいる場合、裁判所から「同居人の収入を証する書類」の提出を求められ、家族の給与明細書や源泉徴収票、通帳のコピーなどが必要となります。これをAさんがご自身で入手できればよいのですが、ご主人に頼まないと入手が難しい場合、破産手続きのことを知られずに上手く頼まないとならなくなります。

また、破産すると官報の破産者名簿に掲載されます。一般の人が普通に目にすることはありませんが、破産者名簿から知られる可能性はゼロではないことは覚えておいてください。さらに、破産すると数年間はローンを組んだり、クレジットカードを作ったりすることはできなくなります。そうした点をご主人に不審に思われずに過ごせるならば内緒に出来る可能性はあります。

このようにご家族に内緒で自己破産を行うことは、場合によっては可能ですが、いくつかの条件をクリアする必要があります。さらに、弁護士によっては、内緒で破産手続きをすすめることに協力的な場合とそうではない場合があるので、正式に依頼する前に確認しておきましょう。

持ち家のマンションや車はどうなる?

持ち家のマンションや、車をご主人の収入から支払っていること、そしてご主人名義であるならば、Aさんが破産してもマンションや車を手放す必要はありません。また、夫婦共同名義になっていてもご主人のみの収入から支払っていた場合も、実質的にはご主人の財産ということになり、手放す必要はありません。しかし、夫婦2人の給料からローンを支払っていて、実質的にも夫婦共有財産である場合、Aさんが破産すればAさんの持分部分は競売にかけられることになります。

ご主人に資金的な余力があるか、ご主人が融資を受けられる状況ならば、競売前に破産管財人に買い取りを申し出るか、共有部分をご主人が落札し、取り戻すことも可能でしょう。しかし、ご主人に余力がない場合、Aさんの持分部分のみ競売にかけると意に沿わない落札者に共有部分を取得されてしまう可能性もあります。

そういった状況を避けたい場合は、ご主人の持分部分も破産管財人と共同で競売にかけ、手放すことも検討しなければならないかもしれません。これは事例によって異なるため、司法書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。

まとめ

借金の問題を家族に内緒で解決したい場合、手続き中の裁判所からの連絡や資料提出、自己破産後数年間のローンが組めない、新しいクレジットカードが作れない、というペナルティを家族に気が付かれないように過ごせるかがポイントとなります。持ち家のマンションが夫婦の共有だった場合、ご主人に迷惑がかかる可能性があるので「破産手続き後、どうしたいか」といったことも含め、専門家に相談しましょう。

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