交通事故の裁判はどのように進むの?

交通事故を起こす、もしくは交通事故で被害にあう人は決して多くありません。周囲に経験したという人も少ないでしょう。それだけに裁判になった場合、どのように進んでいくものかわからないことも多くあります。裁判になった場合の期間や流れについて解説します。

裁判にかかる時間とは

交通事故の裁判は、被害者が加害者に損害賠償を請求する民事に関する裁判と、犯罪の有無や量刑を確定する刑事に関する裁判とが考えられます。平成25年度の裁判所の統計によると、民事に関する裁判のうち交通事故の損害賠償請求のような金銭を目的とする裁判に関しては、その約77%が1年以内に終了しています。つまり、民事裁判は1年以内に終了することが多いといえるでしょう。

刑事に関する裁判に関しては、一般的には、検察側が起訴することを決定してから2カ月ほど後に第1回公判が開かれ、そこで被告人が罪状を否認しない限り、1回で結審して、1カ月後に判決というパターンが多いので、かかる期間は3カ月程度でしょう。

裁判はどのように進んでいく?

民事に関する裁判

民事に関する裁判の場合は、被害者側が裁判所に訴状を提出することから始まります。訴状には、次のような内容を記載します。

  • 当事者の住所・氏名
  • 請求の趣旨(訴える側が求める判決の内容を記載)
  • 請求の原因(交通事故の状況など請求の趣旨の理由を記載するもので、証拠があればそれも添付)
  • 付属書類の表示
  • 提起日時
  • 受訴裁判所名

訴状を提出した後は、裁判所で手続きが進められます。その多くは公開の法廷ではなく、非公開の弁論準備手続という手続きで、裁判官同席のもとで当事者同士(弁護士に委任した場合は弁護士)がそれぞれの主張や証拠を整理していきます。

また、交通事故に関する裁判の場合は、裁判所から和解をすすめられることも多いです。被害者・加害者双方がお互いに歩み寄って合意を得られるような場合には、和解調書を作成して和解という形で事件が終了します。和解できなかった場合には、裁判所から判決が出されます。

刑事に関する裁判

刑事に関する裁判は、検察官がどの程度の刑を相当と考えるかによって異なります。

交通事故の裁判の場合、罰金刑で終わることも多いですが、100万円以下の罰金又は科料が相当と考え、被疑者にも異議がなければ、検察官は略式命令を請求します。略式命令とは、公開の法廷ではない場で、裁判官が検察官提出の証拠資料のみで刑を決める手続きです。

一方、懲役刑や禁錮刑が相当だと考えた場合などは、検察官は公判請求をします。公判請求をすると、公開の法廷で審理が進められます。これは、おおむね以下のような流れで進みます。

  • 裁判長から被告人に対する氏名等の質問(人定質問)
  • 検察官による起訴状の朗読
  • 黙秘権があることなど被告人保護のための権利の説明
  • 被告人・弁護士に対する陳述機会の付与(罪状認否。起訴事実を認めるかどうかなどをのべる)
  • 検察官による証拠によって証明しようとする事実の陳述(冒頭陳述)
  • 検察官による証拠調べ
  • 検察官による犯罪事実、法律の適用、量刑に関する意見(論告求刑)
  • 被告人側の最終弁論
  • 判決

まとめ

裁判の流れはイメージできましたでしょうか? 刑事に関する裁判では必ず弁護士を付ける必要がありますが、民事に関する裁判では弁護士を付けなくとも制度上は問題ありません(本人訴訟)。しかし、交通事故に関する裁判は、民事であってもかなり専門的な知識を求められます。いきなり委任することを考えなくても、まずは弁護士に相談する方が無難だといえるでしょう。

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