「土日完全休」と求人でうたっていたのに、実際は休日がある週の土曜は出勤……。

忙しく働いていたOさん、転職にあたり土日休みは譲れないポイントでした。求人票に「土日完全休」とあった会社に内定を貰い、喜んだのもつかの間……。祝日がある週の土曜は出勤だということが、入社してからわかったのです。労働条件が入社後、異なるとわかったとき、どうすればよいのでしょうか。

労働条件が求人票と異なるとき、法的な責任は問えるもの?

まず、求人票の内容とおりに、労働契約が結ばれたといえるのかが問題となります。この点に関しては、求人票の内容は原則的には労働条件となります。そうであるならば、会社は求人票に嘘の内容を書いていたことになりますので、信じて入社した社員は会社の責任を問えるでしょう。

しかし、採用のときに会社側から休日について、詳しい説明がされる場合がありますね。その中で「休日のある週には土曜日出勤がある」旨が説明されていた場合には、その内容を了承して入社したということになります。そういうときには、当然ですが社員は会社の責任を問うことはできません。

いずれにしても入社の際には、求人票の内容が間違いないのか、しっかりと確認することが大切です。

入社後数日で「辞める」と言ったら保険料を請求された……。払わないとダメ?

求人票に記載されていた労働条件と、入社したあと現実の労働条件が違うことを理由に会社を辞めることは当然認められます。これは会社の嘘が原因での辞職ですから、会社は社員が辞めることに伴って生じた損害などについても、社員に賠償を求めることはできません。

それでは、会社が社員に代わって納めていた失業保険等の保険料についてはどう考えるべきでしょうか? 保険料は、法律上会社と労働者が折半して支払うことになっています。そうであれば、労働者側の支払う分については、会社が労働者に請求することは可能だと考えられます。

もちろん、従業員の退職は、会社が求職票に書いた嘘の記載が原因です。従って、従業員は会社に対して、嘘によって生じた損害の賠償を求めることはできます。

しかし、だからと言って自分が支払うべき保険料の負担を免れることはできないと考えられます。前述しましたが、人生において転職は大事な節目です。譲れない条件があるのなら、求職票の内容を鵜呑みにせず面接時にしっかりと労働条件に間違いがないか確認しましょう。

文:大山滋郎(弁護士)

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