妻が探偵に不倫調査をさせていた!探偵事務所を訴えたい!

妻が夫に内緒で、夫の不倫調査を探偵事務所に依頼していました。浮気は妻の思い過ごしでしたが、探偵事務所が仕事を請け負い、何日も知らない間に撮影されていたことが不愉快に感じた夫……。果たして、プライバシーの侵害で訴えることはできるのでしょうか。

そもそもプライバシー権とは?

そもそも「プライバシー権」とはなんでしょうか。プライバシーを直接定めた法律はありませんが、一般には、「私生活上の事柄をみだりに公開されない権利」とされています。この中には、正当な理由もなく、勝手にその姿を撮影されない権利というのも含まれています。

したがって、不倫調査で勝手に自分の姿を写真や動画で撮影されたことは、プライバシーの侵害に該当する可能性があるでしょう。

家の外でもプライバシー権はあるか?

どこで行動しているか、勝手に撮影されたくないという感情は理解できます。とはいえ、公道上や誰でも入れる店舗の中などは、他人にみられることが当然であるとも言えます。ですから、自宅での行動と、これらを一緒に考えることはできません。お店や景色を撮ろうと思って、たまたま映り込んだだけで違法とされてしまっては、常識的に考えて困りますよね。

したがって、私的な空間でない場合、ある程度、プライバシー権の放棄があったと考えるべきでしょう。

探偵会社を訴えることはできる?

では、今回のような不倫調査の場合、探偵会社を訴えることはできるでしょうか。ある程度、プライバシー権の放棄があったとはいえ、意味もなく撮影を行ったり、その内容を公表されたりするなどすれば、これは当然プライバシー権の侵害になります。外を歩いただけで、そこまで認めている人はいませんよね。

今回で言えば、夫と妻との間には夫婦として貞操を守る法的な義務があります。そして、今回の不倫調査は、「その義務が守られているかどうかを調べる」という理由があります。

したがって、その目的を果たすのに必要な範囲内であれば、仮にプライバシー権の侵害があったとしても、正当な理由があるものとして、違法とは言えないと考えるべきでしょう。

文:石崎冬貴(弁護士)

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