債権の消滅時効と時効中断ってなに?

借りたお金や、通販などで商品を買ったけど代金を未払いにしている請求書などのいわゆる債権にも、時効があるのをご存知ですか? 債権も、一定の期間が経過すると時効を迎えて消滅してしまいます。それは一体、どれだけの期間なのか、消滅とはどういう状態なのか詳しく解説していきましょう。

債権の消滅時効ってなに?

債権の消滅時効とは、一定の期間が経過することにより権利が消滅する制度です。例えば、友人Aに10万円を貸したとしましょう。これで友人Aに対して、債権が生まれます。約束どおり、友人Aが10万円を返してくれれば債権は消滅します。しかし、友人Aに「来月には必ず返して」と言って、返済に期限を設けても、Aが返済しないままでいれば、時効によって10万円の債権が消えてなくなってしまうのです。もちろん、時効消滅した債務でも友人が「遅くなってごめん、10万円返すよ」と言えば、受け取ることはできます。しかし、法律上は返済しなくてもよくなってしまいます。あなたが訴訟を起こして「10万円を返せ」と請求しても、友人Aが「10万円は時効によって消滅した権利だ」と主張すれば、敗訴してしまうのです。

これは「長期間、債権をほったらかしにしたような債権者を法律は保護しない」という考え方に基づくものです。また、お金を借りた友人Aにしてみても何年も前の借金について請求されても困りますよね。本当は借りたお金を返してもらっていたのに、借用書や受領証は捨ててしまっていることだってあります。そういう不利益を防止するためにも消滅時効制度が用意されています。

消滅時効の期限は債権によって異なる

通常、債権は権利を行使することができるようになってから10年経つと時効によって消滅することが民法上規定されています。つまり、お金を借りて10年経過すると「時効が完成しているから払わないよ」という行為が法律上認められてしまうのです。

お金を借りたのが個人ではなく、貸金業者であった場合には商法が適用されるので、さらに短い5年で時効により消滅します。

ほかにも3年、2年、1年で消滅する権利もあります。病院でかかった診察料は3年、給料や賞与は2年で消滅してしまいます。DVDレンタル料や飲み屋のツケは、1年で消滅してしまいます。

時効の中断をさせる方法

例えば貸金業者からお金を借りていた場合、5年経てば時効により債務は消滅します。しかし、再三にわたって借りたお金を返すように請求していたにもかかわらず、5年経って権利がすべて勝手に消滅してしまうとしたら、貸金業者はたまったものではありませんね。

そこで、消滅時効の進行をストップさせる方法が民法には規定されています。この時効の進行をストップさせることを時効の中断といいます。時効が中断すると、カウントがゼロに戻るうえ、次に消滅時効になるのはさらに10年後ということになります。

では、いったいどうすれば時効を中断することができるのでしょうか。法律で認められている時効の中断方法は下記の3つです。

  • 請求
  • 差押え・仮差押え・仮処分
  • 承認

このうち、「請求」とは、ただ単に電話や手紙で「お金を返せ」というだけではなく、裁判を起こしてお金の返済を請求することです。単に「金を返せ」と請求することを民法上「催告」といい、「催告」と6ヶ月以内に訴訟を提訴すれば、時効を中断させる効果があります。時効が完了間際に貸金業者から督促状が届くことがあり、これは業者が訴訟の準備をしていると考えるといいでしょう。「承認」とは債務者が債務の一部を払ったり、支払いの猶予を申し出たりするだけで時効中断の効果が発生することをいいます。

まとめ

本来であれば、当然支払わなくてはならないお金を「払わないよ」といえてしまうのが時効です。だからといって、「○年経てばチャラになる」と、最初から時効を理由にお金を返さない・支払わない姿勢は考えものです。

当然ながら買ったもの、利用したものはきちんと支払う、借りたお金は返すことが基本です。

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