嫁にも遺産を遺すためには、なにをすべき?

財産は血縁関係がある親族中心に行われますが、血はつながっていないけれど、自分によくしてくれる嫁にも自分の財産を譲りたい……こういうとき、考えられる方法は遺言書で明文化しておくことですが、このほかになにをしておくべきなのでしょうか?

嫁は相続人ではないが、嫁に遺産を遺す方法はある

そもそも義理の親が亡くなった場合に、嫁は相続人になるのでしょうか? 法律上、義理の親が亡くなっても原則として嫁は遺産を相続できません。しかし、嫁が義理の親に尽くしている場合などに、義理の親が嫁に対して遺産を遺したいと考えるケースも見受けられます。

このような場合に、義理の親が嫁に遺産を遺す方法は2つあります。1つ目は、義理の親と嫁が養子縁組をする方法です。養子縁組をすれば、嫁は義理の親の子供と同様に相続人となります。ただし嫁が義理の親と養子縁組をするには夫の同意が必要です。2つ目は、義理の親が嫁へ財産を遺贈する旨の遺言書を作成する方法です。義理の親が嫁へ財産を遺贈するという遺言書を書くことに対して、第三者の同意は必要ありません。

財産を遺贈する旨の遺言書をつくろう

義理の親が「嫁へ財産を遺贈したいけど、養子縁組までは考えていない」という場合には、遺言書で「どの財産を、どれだけ嫁に遺贈する」と、書いておくことをおすすめします。遺言書には、主に自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類があります。遺言書の書式に不備があって遺言書が無効になってしまったり、遺留分などをめぐるトラブルになったりするリスクを減らすために、公正証書遺言を作成することをおすすめします。

状況によってはトラブルにならないよう、他の相続人にも伝えておこう

本来、遺言書の内容を第三者に話す必要はありません。しかし、嫁は法律上の相続人ではないため、遺言を執行する段階になって初めて嫁にも財産が遺されていると知り、トラブルになるケースもあります。

そこで、事前に各相続人と話をすることができる状況であれば、嫁にもこの財産をこれだけ譲るという旨の遺言書を作成していることを伝えておくとよいでしょう。ただし、事前に各相続人に対して、嫁へ財産を譲るという旨の遺言書を作成したことを伝えることで、トラブルを招く可能性があるのであれば、信頼できる相続人だけに伝えておくなどの工夫が必要です。

まとめ

原則として、息子の嫁には相続権がありません。そのため、息子の嫁に遺産を遺したければ、養子縁組をするか、遺言書を作成するなどの必要があります。そして、亡くなったときに、もめることがないよう、他の相続人に「嫁に遺産を遺したい」という自分の気持ちも伝えておくことをおすすめします。

文:丹所美紀(行政書士)

関連記事