非嫡出子でも遺産を相続することはできる?

父が母以外の女性に産ませた子供がいることが発覚したら、家族のなかに波乱がおきることは想像に難くありません。父が亡くなり相続が発生した時、いわゆる非嫡出子でも父の財産を相続することになるのでしょうか。

非嫡出子と嫡出子、相続は同じようにできる?

平成25年に改正される以前の民法では、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1である旨が規定されていました。しかし、この規定は平成25年9月に違憲判決が出たため、同年12月に法改正が行われています。

その結果、非嫡出子の相続分が嫡出子の相続分の2分の1であるという部分は削除されました。平成25年9月5日以後に開始した相続については新法が適用され、父が正妻以外に産ませた非嫡出子も正妻が産んだ嫡出子も、同じ相続分で相続できるようになったのです。

平成25年9月に下った違憲決定

初めて民法が制定された明治時代には、長男や長女など長子による家督相続が主流で、現代社会のように相続分でもめごとになるケースは少なかったと考えられます。このような歴史的背景から、家督相続制度が廃止されても法律婚が重視されてきました。

この事件以前にも、民法で定められていた非嫡出子の相続分をめぐって何度か争われてきましたが、「法律婚を尊重する」という観点から、この民法の規定は合憲だと判断されてきました。

しかし今回、最高裁判所は、この民法の規定について遅くとも平成13年7月当時には違憲であったと判断しました。これは、家族形態の多様化、諸外国の立法、日本が批准した条約の内容、嫡出子と非嫡出子の区別に関わる法制度の変化、子供自身は嫡出子・非嫡出子を選ぶことができないことなどを考慮しての結論なのです。

まとめ

長年にわたって法律婚の尊重という観点から、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1であるという民法の規定は合憲とされてきました。しかし、法改正が行われた今、非嫡出子も嫡出子と同じ相続分で相続できるようになっています。

ある日突然、遺された家族の誰も知らない兄妹がいると知ったら、ショックは大きいものです。しかし、このケースでは同じ父の子として等しく財産を分けることができるのです。

文:丹所美紀(行政書士)

参考:

  • 法務省:民法の一部が改正されました
  • 裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面

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