楽しみにしていた旅行なのに、行った先の旅館がパンフレットと違いすぎる!

年に1回、家族で楽しみにしている国内旅行。雑誌やインターネットで落ち着いた良い雰囲気の和風旅館を見つけ予約したAさん。しかし、行ってみると写真のような豪華な造りとは程遠い外観と内装に激怒しています。いくら写真は良く見せているとは言え、これは詐欺じゃないの?

過剰な演出をして客をだます行為は問題じゃないの?

写真が実物より良いというのは、社会生活上では本当によくあることですよね。レストランのメニューの写真のほうが、現実に出てきた料理より豪華だったことなど、多くの人が経験しているはずです。お見合い写真のほうが、対面した本人よりも余程綺麗だったり、カッコ良いなんてことはもはや「常識」と言ってもよいはずです。

宿の写真についても、プロが見栄えよく撮影しますので、現物よりも良く撮れているのは当然のことです。「写真のほうが良い、こんなはずはない」などと言えば、常識はずれと言われてしまう可能性もあります。

その一方、写真と実物があまりに違いすぎる場合には、やはり法的な問題が生じるかもしれません。旅行者は、その写真の内容をある程度まで信頼して「この写真に撮られている宿」を予約したわけです。そうだとすれば、写真と全く違う宿なら、法的に責任が生じる可能性があります。詐欺や、錯誤、消費者契約法など、各種の法律の適用が考えられそうです。

旅費の返金を要求したいけど…

宿の内容がパンフットや予約サイトなどに載った写真とあまりに違う場合、法的に契約をキャンセルできると考えられます。代金を前払いしていたようなときには、もちろん返金も請求できます。

その一方で、たとえ写真と現物の宿が違っていた場合でも、一度その宿に泊まってサービスを受けてしまった後に、旅行から帰ってきて返金を求めることはかなり困難になりそうです。というのも、わかりやすく言えば、お見合い写真と本人が大きく違っていても、結婚してからでは文句を言えないのと同じことなのです。

現地についてからでは、解約は事実上困難でしょう。今更楽しい旅を止めるわけにはいかないからです。予め、宿に対する口コミなどを調べて、納得したうえで予約をするようにしましょう。

まとめ

実際に現地に行ってみて、写真と違い過ぎる宿だった場合には、宿泊をする前ならば予約を解除することも可能です。ただ、代わりとなる宿を探す面倒や、宿の人と交渉したりするのは決して気分のいいものではありません。せっかくの楽しい旅を続けることを考えると、解除するのは事実上難しいことになるでしょう。

パンフレット1冊だけを見てすぐに予約をせず、複数の本を見て調べたり、口コミサイトなどで情報を見ておくといった自衛手段をとりつつ予約することが大切です。

文:大山滋郎(弁護士)

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