生中継がNGになった、弁護士会規則って何?

フジテレビの情報番組がとある会見場から生中継をしようとして、弁護士から弁護士会の規則を理由に中継を遮断するよう求められました。あまり耳にすることがない弁護士会規則とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

そもそも弁護士会の規則とは何?

弁護士には監督官庁がありません。そこで、自分たちで弁護士会という組織を作り、その中で自分たちのルールを決めています。それが弁護士会規則です。

この規則を守らない場合、弁護士会は当該弁護士に罰(懲戒処分)を与えることもできます。そこで、弁護士たちは規則の内容を掴み、それに違反しないように注意しています。

弁護士会規則って、どんなことが定められている?

弁護士会の規則では、弁護士として品位を害するような行いは禁止されています。たとえば、派手なネオン広告や「違法行為をもみ消します」といったえげつない広告などを利用して弁護士が顧客あさりをすると、弁護士としての品位が害されますよね。したがって、そのような広告は禁止されています。

そのほかにも、たとえば利益が相反する当事者の双方の代理をすることなども、弁護士会の規則により禁止されています。自分の依頼者と相反する利害を持つ者を代理したら、公正な職務が遂行できませんから、これは当然のことです。

このように、弁護士会の規則により、弁護士はその品位を害するような行為を禁止されているのです。

なぜ、あの会見場で生中継がダメだったのか?

それでは、なぜ、フジテレビの情報番組で、ある会見場からの生中継が許可されなかったのでしょうか? それは、その会見場が弁護士会館の記者会見などを行う部屋だったからです。

弁護士会は、弁護士たちがお金を出し合って運営しています。また、弁護士会は弁護士会館を所有し、その中には記者会見の行える部屋なども用意しています。今回、問題となったのは、このような記者会見の設備の仕様についてです。

東京の弁護士会館では、使用規則で生中継を禁止しています。弁護士会館で生中継を行うと、単なる弁護士一個人の見解が弁護士全体の見解でもあるかのように受け取られかねません。生中継の禁止は、そうした誤解を与えることを防ぐ趣旨からだと思われます。

それは、ひいては弁護士の品位を害することにつながりかねないので、あらかじめ規制しておこうということでしょう。そこで今回は、弁護士会館を使用する以上、生中継は認められないということになったわけです。

まとめ

弁護士には監督官庁がなく、自治が認められています。それだけに、弁護士会が作成した規則を破ることのないように、多くの弁護士が気をつけています。

文:大山滋郎(弁護士)

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