アルコール依存症の夫と離婚はできる?

お酒が大好きな夫でしたが、度が過ぎてアルコール依存症と診断されてしまいました。何度お酒を隠しても、目を盗んでは飲酒を繰り返し、治る見込みがありません。アルコール依存症を理由に離婚はできるでしょうか?

離婚調停の進め方

離婚を決意しても、話し合いでは結論が出ない場合も少なくありません。そういった場合の選択肢のひとつに離婚調停があります。

離婚調停とは、正式には「夫婦関係調整調停」といい、家庭裁判所で行われる夫婦関係の調整を行う調停のことを指します。これには円満解決を望むものと離婚を望むものの2通りがあり、主に後者を「離婚調停」と呼んでいます。

離婚は夫婦だけで話し合いを続けると、お互いに納得できないことや譲れないことが出てきて争いになることがあります。しかし、離婚調停を申し立てると、このような争いごとを解決するべく、男女1名ずつの調停委員が仲裁に入ります。そして、スムーズに離婚に向けた話し合いができる状況にもっていきます。

夫婦が離婚するにあたり、話し合いで合意に至らない場合は「離婚理由の有無」が重要な問題となります。もちろん離婚調停でも、この点を中心に話し合いが進められます。調停委員が公平な立場で、民法上に定められている離婚事由に該当するかどうかを事情聴取していくのです。

それでは今回の例のように、アルコール依存症と診断された夫に対して離婚調停を起こした場合はどうなるでしょうか。

通常、離婚調停で、病気を理由とした離婚の申し立てが認められることはほとんどありません。アルコール依存症はれっきとした病気ですので、これを主たる離婚理由とするのはおそらく難しいでしょう。実際に調停委員から、こういうときこそお互いを思いやり、支え合って困難を乗り越えるべきではないのかと諭されることもあるようです。

医務室技官による面接

そうはいっても、お酒を飲んで暴力をふるったり、まったく働かないなど、アルコール依存症の程度によっては、民法上、離婚原因として認められている「その他婚姻を継続しがたい重大な理由があるとき」に該当する可能性があります。

今回の例でいえば、妻が夫のアルコール依存症を支えて乗り越えることができるかどうかです。この点について、きちんと見極める必要があります。

そのようなときに、医務室技官による面接が行われます。医師である医務室技官は、医学的な見地から、アルコール依存症の状態が、夫婦で助け合いができるレベルなのかどうかをジャッジします。医務室技官の判断によっては、アルコール依存症の夫との結婚生活の継続が難しいと認められる場合もあります。

まとめ

お酒を飲むことはとても楽しいことですが、度が過ぎると健康を害するばかりか、離婚を引き起こす原因になる可能性があります。幸せな毎日を過ごすために、飲酒は適量で楽しむことが一番のようです。

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