孫の教育資金が非課税になる教育資金贈与信託は相続税対策になる?

孫の学費を援助しようと思っています。単に贈与するよりも、教育資金贈与信託にすると、相続税対策にもなると聞いたのですが、本当でしょうか?

教育資金贈与信託の仕組み

少しずつ景気が回復しているといわれていますが、相変わらず20代から30代の子育て世代は、将来に対する不安を抱えている人が多いようです。長引く不況で就職難に苦しんできた世代ですから無理もありません。この世代は財布のひもが固く、なかなか消費に結びつかないといわれています。

こういった理由から、最近は子育て世代の親をターゲットにした商品を手掛ける企業が多くなってきました。

そのひとつが「教育資金贈与信託」です。大手の金融機関が、「孫への思いを形にして残す」をコンセプトに売り出している商品です。孫名義の口座を開設し、教育資金をまとめて預け、孫からの払出請求があれば支払われるという仕組みです。

30歳以下の孫が対象ですが、ひ孫も認められる場合があります。多くの金融機関が口座の管理料や払出手数料を無料にしており、かなり利用しやすくなっています。

教育資金贈与信託は相続税対策になるか

ところで、この教育資金贈与信託を利用するメリットはどこにあるのでしょうか?

平成25年度の税制改正で、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が創設されました。この税制改正によって、30歳以下の孫を持つ人は、1,500万円までなら教育資金としてまとめて非課税で贈与できることになりました。あくまでも、学校の授業料など教育機関への支払いに限られていますが、塾などへの支払いも500万円まで非課税になります。

「資産を生きているうちに親族に分け与えたい(生前贈与)」と考える人は増えています。自分が亡きあと、相続で親族がもめないようにということもありますが、最大の目的は相続税の負担を少しでも減らすためです。

しかし、ここで気をつけなければいけないことは、贈与税のほうが相続税よりも負担が大きくなる場合もあるということです。その点、教育資金贈与信託なら、教育資金として利用する場合1,500万円まで非課税となるので、相続税対策としても利用することができます。

デメリットを挙げるとするならば、教育資金贈与信託は孫(あるいはひ孫)が30歳になった時点で口座が閉鎖されるので、その時点で資金が残っていた場合、贈与税がかかるという点です。したがって、最初にまとめてお金を預ける段階で、きちんと使いきることができる金額を考えることが重要です。

なお、この教育資金贈与の特例は、平成25年4月1日から平成31年3月31日までの限定措置です。

まとめ

かわいい孫のために何かしてあげたい、そう思う祖父母は多いことでしょう。大切な資産を分け与えるのなら、少しでもメリットがあったほうがいいですよね。教育資金贈与信託を利用すれば、孫の喜ぶ顔を見ることができるうえに自身の節税対策にもなりそうです。

参考:

  • 財務省|税制|わが国の税制の概要|相続税、贈与税など(資産課税等)|教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
  • 三井住友信託銀行|個人のお客さま|資産管理|教育資金贈与<愛称:孫への想い>
  • 生前贈与による贈与税・相続税対策ガイド|祖父母から孫への教育資金の贈与税非課税措置(平成25年4月1日より施行)|平成25年4月1日からの贈与税改正ポイント

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