10年前に貸したお金が戻ってこない…このままでは時効になってしまうのでは?

10年前に貸したお金を返してもらえていません。今では貸した友人とは疎遠になり、音信不通に……。このまま時効になってしまうのではと不安です。貸したお金を取り戻すことはできないのでしょうか。

借用書がなくても、返済を求めることができるか?

借用書がなくても、返す約束をしてお金を渡したのであれば、金銭消費貸借は成立します。ですから、借用書がなくても返済を求めることができます。

しかし、相手からの借金の返済が滞っていて法的手段に出る場合には、やはり証拠が必要になります。そして、そのなかでも借用書は最も強力な証拠となります。

では、借用書がない場合には、貸したお金を法的手段に訴えて取り返すことはできないのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。ここでは、借用書以外の証拠について検討してみましょう。

まず、携帯やパソコンに、友人との返済に関するメールでのやりとりは残っていないでしょうか? 例えば、「○日に一部支払う」「〇日まで待ってほしい」など、友人が借金の存在を認めるような内容のメールであれば、証拠になりえます。

また、友人と電話で話せる状態ならば、電話をかけて返済を求めましょう。その際、ボイスレコーダーなどを使用して、会話を録音することを忘れずに。「貸している〇円は〇日までに返してもらえますね」と確認し、それに対して、友人が「はい」と答えれば、借金の存在を認めた立派な証拠となります。

また、友人に電話したり、実際に会ったりして借金の返済を求めた場合には、日時や場所、交わした言葉などについてもメモをとっておきましょう。これらも証拠になる可能性があります。

個人間の貸し借りでも、時効は成立する

借金の証拠があったとしても、借金は10年の消滅時効によってなかったことになってしまいます。つまり、10年過ぎたら、いくら法的手段に訴えても負けてしまうのです。このように、長期間借金を回収せずに放っておいた債権者を、法律は味方してくれません。

もっとも、時効期間が経過したあとでも、友人が払ってくれるのならば、問題はありません。時効はあくまでも、時効によって利益を受ける人が「時効によって消滅しており、支払いません」と援用してはじめて効果が発生するものだからです。

時効を中断するには?
では、貸したお金が時効によって消えてしまうのを防ぐには、どうしたらよいのでしょうか?

そのためには、法律に定められた方法で、時効の中断をする必要があります。時効の中断によって、時効の進行がストップするのです。

手軽な方法としては、口頭で「払ってくれ」と請求することや、内容証明郵便を送り返済を求めることが挙げられますが、それらは時効の完成を6カ月だけ遅らせる効果しかありません。

確実にストップさせるには、裁判所を通して支払いの請求をします。ただし、これは裁判を通す手続きですので、手間と知識が必要になり、多くは弁護士に依頼することになるでしょう。

そこまで手間をかけたくなく、また友人に会うことが可能であれば、ほかにも方法があります。それは、友人に会いに行き、改めて借用書を書いてもらうか、1,000円でも借金の返済として払ってもらうことです。そうすれば時効が中断し、そこから改めて10年の時効期間がスタートします。

まとめ

個人間の貸し借りでも、時効は成立します。もし、法的手段に訴えるのであれば、お金を貸した証拠を集めましょう。証拠は、借用書がなくても、メールの履歴や電話の内容の録音などがあれば証拠になりえます。

もっとも、相手がいくら信頼する人間であっても、借用書なしにお金を貸すことは避けたいものです。相手が返済を滞った場合、借用書があるのとないのとでは、裁判では大きな差となるからです。名刺の裏やメモ用紙でもいいので、借用書を書いてもらいましょう。

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