親子が同時死亡したとき、相続の順位はどうなる?

母Xと娘Yは買い物に行く途中、交通事故に遭い、2人とも亡くなりました。Xの夫であり、Yの父親でもあるAは2年前にすでに亡くなっています。そのため残された家族はYの夫であるBと、Xの姉であるCのみとなりました。XとYの相続はどのようになるのでしょうか?

死亡した順番によって相続順位に違いが出る?

今回の事例において、XもYも同じ交通事故で亡くなっていますが、XとYが死亡した順番が明確な場合、Xが先に死亡した場合と、Yが先に死亡した場合とで、相続の順位はどう変わるのでしょうか? Xが1,000万円、Yが600万円残して亡くなったと仮定して考えてみましょう。

  • 母Xが先に死亡し、その後娘Yが死亡した場合
    XがYよりも先に死亡していた場合、Xの夫であるAがすでに亡くなっているため、Xの相続人はYひとりとなります。つまり、Yは自分が持っている財産600万円+Xの相続分1,000万円を所有することになります。その後Yが死亡した場合、Yの相続人は夫であるBのみですので、Bが1,600万円すべてを相続することとなります。
  • 娘Yが先に死亡し、その後母Xが死亡した場合

YがXよりも先に死亡していた場合、Yの夫であるBがYの相続財産の3分の2である400万円を、Yの母であるXがYの相続財産の3分の1である200万円を相続することになります。つまり、Xは自分が持っている財産1,000万円+Yの相続分200万円を所有することになります。その後Xが死亡した場合、Xの相続人は姉であるCのみですので、Cが1,200万円すべてを相続することとなります。

同時死亡した場合の相続順位はどうなるの?

今回の事例のように不慮の事故で複数の人が亡くなった場合、どちらが先に亡くなったのか分からない場合があります。先に述べたとおり、死亡する順番によって相続人や相続分がまったく異なってくるケースもあります。そうすると、どちらが先に亡くなったのかをめぐり、争いが起こる可能性があります。そのため、法律上、不慮の事故等でどちらが先に亡くなったのかが分からない場合は、その人たちは皆同時死亡したと推定することとなっています。

今回の事例で考えてみると、母Xと娘Yのどちらが先に亡くなったのかが不明な場合は、XとYが同時死亡したと推定します。そして同時死亡の場合、死亡した人の間、つまりXとYの間では相続が生じません。つまり、XからY、YからXに対する相続は行われず、Xの相続財産1,000万円はすべてXの姉であるCへ、Yの相続財産600万円はすべてYの夫であるBへ移転することとなります。

まとめ

不慮の事故等で複数の人が亡くなった場合、上述したように、亡くなった順番によって相続人や相続分に違いが出ることがあります。ただし、どちらが先に亡くなったのかが分からない場合は同時に死亡したものと推定されます。その場合は、死亡した人の間では相続は生じません。家族構成によっては相続順位に違いが出てくる同時死亡の推定についてお伝えしました。

文:丹所美紀(行政書士)

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