養子でも法定相続人になれるか?

Aさんには、実子が1人、養子が2人います。養子であっても、法定相続人となり遺産を相続できるでしょうか? 遺産分割は3人平等にしたいと思っています。

普通養子と特別養子

養子縁組とは、親子関係にない親と子に、法律上親子関係を作る手続きのことをいいます。そして、養子には「普通養子」と「特別養子」の2種類があります。

  • 普通養子

養子と実親との親子関係を残しつつ、養子と養親との親子関係を作るものです。つまり、養子には二重の親子関係が存在することになります。そのため、普通養子は実親の法定相続人にも、養親の法定相続人にもなります。なお、普通養子になるための年齢制限はありません。

  • 特別養子

養子と実親との親子関係を法律上断ち、養子と養親のみの親子関係を作るものです。そのため、特別養子は実親の法定相続人にはならず、養親のみの法定相続人となります。また、特別養子になれるのは、原則として6歳未満(6歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合は8歳未満)でなければなりません。

相続税法上の制限

普通養子であれ、特別養子であれ、養子にできる人数に民法上の制限はありません。しかし、相続税を公平に課税するという趣旨から、相続税法上は法定相続人としてカウントできる普通養子の数に次のような制限を設けています。なお、特別養子縁組の場合には相続税法上の制限の対象外となりますので、何人いても相続税法上の法定相続人となります。

  • 養親に実子がいる場合、相続税法上の法定相続人としてカウントできる普通養子の数は1人
  • 養親に実子がいない場合、相続税法上の法定相続人としてカウントできる普通養子の数は2人

本件の事例の場合、Aさんには実子が1人いるため、養子が2人とも普通養子であれば、相続税法上の法定相続人としてカウントできる養子は1人となり、2人とも特別養子であるか、1人は特別養子、1人は普通養子である場合には、相続税法上の法定相続人としてカウントできる養子は2人となります。

実子・養子関係なく、平等に遺産分割するには

普通養子であれ、特別養子であれ、養子縁組をしていれば、実子も養子も法定相続人なので、平等に遺産分割することとなります。つまり、本件事例の実子1人も養子2人も平等に財産を相続する権利を有しています。

しかし、現実に実子と養子が法定相続人の立場として対等に話し合いができるかどうかは個々の家庭の事情によります。そこで、養親はトラブル防止のために、実子も養子も平等に遺産分割をする旨の遺言書を作成しておくことをお勧めします。

まとめ

養子には、実親との親子関係を残す普通養子と、実親との親子関係を法律上断つ特別養子の2種類があります。相続税法上、実子がいる場合、法定相続人になれる普通養子は1人ですが、特別養子は制限の対象外となります。また、実子がいない場合、普通養子は2人までが法定相続人になれます。親が亡くなったとき、実子と養子との間で平等に遺産分割をするためにおさえておきたいポイントをお伝えしました。

文:丹所美紀(行政書士)

参考:

  • 相続人の中に養子がいる場合|国税庁

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