総量規制って?何が対象外になる?

私は専業主婦なのですが、収入がないと総量規制で借り入れができないと聞きました。総量規制とはどういう制度なのでしょうか? また、総量規制の対象外になるものがあるということですが、どういうものが対象外になるのでしょうか?

総量規制とは

「総量規制」とは、原則として、貸金業者から年収の3分の1までしか借り入れができないというルールのことです。多重債務者が社会問題となり、その対策として、国は平成18年に貸金業法を改正、総量規制を導入しました。つまり、返済しきれないほどの借金を抱えることを防止するために、総量規制によって過剰な貸付けや借り入れそのものをやめさせようとしたというわけです。

総量規制の対象外はあるの?

総量規制を定める貸金業法13条の2第1項では、貸金業者は顧客等の返済能力の返済能力を超える貸付け(=年収の3分の1を超える貸付け)と認められるときは貸し付けてはならないと定めています。

つまり、総量規制を守らなければならないのは「貸金業者」(消費者金融やクレジットカード会社など)です。そのため、銀行や信用金庫などの金融機関が提供するカードローンであれば、総量規制の対象外となります。また、総量規制の対象は「貸付け」なので、キャッシングではなくショッピング(リボ払いなど)も総量規制の対象外となります。

3分の1の借り入れ枠についても、住宅ローンや自動車ローンについては対象外となるので、それを除外して計算することができます。さらに、事業資金の借り入れも、借り入れ計画などを提出して、返済能力があると認められれば、年収の3分の1を超える借り入れもできます。

専業主婦だと借りられないのでしょうか?

年収の3分の1の規制は、原則として個人ごとに考えることになります。しかしながら、結婚をしている場合は例外となり、配偶者の同意と住民票などの夫婦関係を証明する書類を提出すれば、総量規制は夫婦併せての金額で制限されます。

たとえば、夫の年収が300万円で、妻が専業主婦の場合、夫婦併せて上限100万円までの借り入れが可能となります。ですから、もし専業主婦の妻が借り入れをしたとしたら、その額だけ、夫も貸金業者からの借り入れが制限されることになります。

このように、専業主婦単独での借り入れはできなくなりましたが、夫と併せて借り入れをすることは可能です。なお、このような特例があるのは夫婦だけで、たとえば同居の子どもなどには、この適用はありません。そのため、収入がない子は貸金業者からの借り入れはできないのです。

まとめ

総量規制は、多重債務者を減らすための制度である反面、専業主婦や定職に就いていない人など収入のない人にとっては厳しい規制ともいえます。もし、借り入れの必要がある場合は、家計の収入とのバランスを考え、家族で相談をしながら借り入れしていくことをお勧めします。

文:杉浦智彦(弁護士)

参考:

  • 貸金業法について|日本貸金業協会ホームページ
  • 貸金業法Q&A|金融庁

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