夫が愛する息子の親権を譲らない!離婚での親権はどう決まるかを詳しく解説!

離婚を考えているが、気になるのが親権争いだ。

夫は、5歳の一人息子を目に入れても痛くないほど可愛がっている。絶対に親権を譲るとは言わないだろう。親権を夫と争うことになれば、離婚ができるまで時間がかかりそうだ。自分が親権を取れる可能性はどれくらいあるのだろうか?

夫婦が離婚をする際、財産分与や慰謝料の他に「どちらが子どもを引き取るか」という親権を決めることは離婚を成立させるための必要事項の一つになります。

親権について、また親権を選ぶ基準について詳しく解説します。

1.親権とは何か

親権とは、未成年の子を監督・養育し、その財産を管理するためその父母に与えられた身分上および財産上の権利・義務の総称をいいます。

父母の婚姻中は原則として父母が共同して親権を行使しますが、婚姻解消などで父母の一方

が行うことができない場合は、他の一方が行います。

親権には次の義務が含まれます。

財産管理権

1)  子どもの財産を管理する包括的な権利

2)  子どもの法律行為に対する同意権(民法5条)

身上監護権

1)  身分行為の代理権(民法737条,775条,787条,804条)

子どもが身分法上の行為を行うにあたっての親の同意・代理権

2)  居所指定権

子供の居所を指定する権利(民法821条)

3)  懲戒権

子供に対して懲戒・躾をする権利(民法822条)

4)  職業許可権

子どもが職業を営むにあたって親がその職業を許可する権利(民法823条)

2.親権と監護権との違い

監護権について

上述した身上監護権とは一般的に監護権といわれるものであり、親権の中に含まれているため、原則として親権を持つ者が監護権を持つことになります。親権者と監護権者が一致することが、子供の福祉にとってよいと考えられているためです。

監護権は親権から分けることができる

しかし、何らかの事情で親権者が子供を監護できない場合や、親権者でない方の親が監護権者として適任である場合は、親権者と監護権者を分けるケースもあります。

<親権者と監護権者を分ける例>

●  親権者は父親だが長期出張が多く子どもの世話をすることが物理的に難しい。

●  財産権利権は父親が適任だと判断されるが、子どもが幼いため母親が世話をすることが多い。

● 離婚調停中で親権者がなかなか決まらず、子どもの精神安定上よくないので、監護権を先に決める。

このような状況の場合、例外的に父親を親権者、母親を監護権者とすることができ、また適性に応じて父母が逆の権利を持つこともあります。

親権と監護権は基本的に夫婦の一方に定めた方がよい

親権と監護権を分け父母がそれぞれ取得することができますが、子どもの将来のため、生活の安定のためには一方に定めておいた方がよいでしょう。

例えば親権は父親が、監護権は母親が取得したとします。

未成年者である子がアルバイトをする場合、親権者は「雇用契約という法律行為」を同意する権利があるため、父親の同意が必要です。

また母親が再婚するとなった際に新しいパートナーと子を養子縁組させたい場合、「養子縁組という身分行為」を認めてもらうため、親権者である父親の同意が必要であり、手続きが煩雑になります。父親がこれを認めない可能性もあるなど、様々な弊害が生じることがあるのです。

3.親権を選ぶ基準

やはり夫は息子の親権を母親に渡そうとはしなかった。調停では拉致があかず、結局争うことに。親権は母親が有利と聞くが、本当に取れるのか不安だ。裁判はどれくらい大変になるのだろうか。

家庭裁判所で親権を争う場合、裁判官は様々な要素を考慮しながら母親と父親、どちらかが親権者に相応しいかどうかを決めます。親権者を選ぶ手続きについて、また裁判所がどのような基準で親権を選ぶのかをみていきましょう。

親権者を決める手続き

離婚の際に取り決めなければいけない条件は様々ありますが、財産分与や慰謝料については離婚後に条件を決定することができます。しかし親権者については、離婚時に決めないと離婚することができません。

1) まずは夫婦間で話し合い

協議離婚の際、未成年の子どもがいる場合は夫婦の話し合いによりどちらかを親権者に決めます。離婚届に親権者を記載する欄が設けられており、親権者を記載しなければ受理されません。

2) 話し合いで決まらない場合は調停の申立

夫婦間の話し合いで親権者が決まらない場合、家庭裁判所に親権者指定の申し立てを行い、調停での話し合いにより親権者を決めることになります。

親権争いの話し合いが決裂した場合、「離婚をするか、しないか」という問題に発展することがあります。よって話し合いにより親権が決まらない場合、離婚調停の申立をし、親権の取り決めを調停で話し合うことが一般的です。

3) 調停不成立の場合は審判、離婚訴訟の申立

親権者について調停でも折り合いがつかない場合、親権者指定の審判手続に移行し裁判所の判断により親権者を指定してもらうことになります。

また、離婚調停で親権者の折り合いがつかず、離婚条件がまとまらないために離婚調停が不調に終わった場合、離婚訴訟を提起し争うことになります。

この際、離婚条件の一つとして親権をどちらにするかの判断をしてもらうよう裁判所に申立をし、判決により親権者を決めることになります。

裁判所はどのような基準で親権を決めるのか

調停や裁判では、母親が親権を取得することが多いようです。

男性が親権者としてふさわしくないというわけではありません。しかし、一般的に幼い子どもは母親と一緒にいたほうが子どもにとって良いという考えが根底にあり、実際に子どもの世話をし、子どもの教育環境を考える役割は母親の方が多いからです。

<親権者の決定基準のポイント>

●  子の年齢と意思

家庭裁判所の判断では、10歳までの子どもは母親が取得することがほとんどです。

10歳から15歳の場合、子どもの意思が尊重されますが、実際には母親が取得することが多いようです。

15歳以上になると、自分の意思をはっきりと伝えることができると考えられているので、

子どもの意思が尊重されます。父母が離婚することで引っ越しにより転校することなどについて、子どもがどのように考えるのかが考慮されます。

●  親の健康状態が心身ともに良好であること

子どもを育てるには、親権者である親が心身ともに健康である必要があります。

重い病気を抱えていたり、うつ病だったりアルコール中毒など精神的に不安定な場合、

親権者として監護能力がないと判断されます。

●  子への愛情

子どもを育て教育していくためにはある程度の経済的な収入は必要であり、一般的に母親より父親の方が子どもの養育環境を整えることができるといえます。しかし、家庭裁判所は親権を決める際、父母の収入を判断材料として重視しない傾向にあります。

それよりも、どれだけ子どものために時間を取って養育できるか、愛情を注げるかが大事です。たとえ母親がパートタイム勤務で収入が少ないとしても、公的支援や実家の援助が得られるのならば問題ないと判断されます。

父親が親権を取ったことも

親権争いになった場合、たしかに父親は圧倒的に不利です。しかし、最近では父親が親権を希望することも増えてきたため、それに伴い認められるケースも増えてきました。

子どもにとっての養育環境が、父親側の方が良い場合と母親側の環境が悪い場合の以下の例があります。

<父親の養育環境が良い例>

・離婚前から父親の方が子どもの養育をしていた(日常の子どもの世話や保育園への送り迎えなど)

・収入レベルが高く、明らかに母親よりも子どもにとって良い環境を作ることができる

・父親の両親が同居しており、子どもの面倒をみることができる

<母親の養育環境が悪い例>

・浮気をして夫と子どもを残して家を出て行った

・収入がとても少なく養育できない、借金がある

・仕事時間が長く子どもの世話ができない

・親権が決まる前に子どもを連れ去った

親権は親の権利であると供に、社会的に未熟な子どもを保護し、子どもを精神的・肉体的に成長させていくという親の義務の側面があります。そのため親の権利を主張するだけでなく、子どもにとって父母どちらの方が一緒にいて幸せなのかを中心に考えなければなりません。

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