耐え難いほどきつい夫の言動……モラハラを理由に離婚できる?

近年、離婚原因として急増しているモラハラ。各メディアで頻繁に取り上げられていることもあり、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

モラハラがやっかいだといえるのは、している側も、そしてされている側も、自分がモラハラの加害者・被害者であることに気づいていないケースが多いことです。今回は、夫婦間でのモラハラ事例と、夫からのモラハラに悩んでいる方が離婚によって新たな一歩を踏み出す方法をご紹介します。

■モラハラとは?どんな言動がモラハラにあたる?

モラルハラスメント、いわゆる“モラハラ”とは、言葉や態度で相手の心に傷を負わせることをいいます。代表的な離婚原因の1つに暴力によって体を傷つけるDVがありますが、モラハラは精神的な暴力といえ、立派なDVの一種なのです。

夫の言動に傷ついていながら、なんとなく気づかないふりをしてやり過ごしていたり、じっと我慢していたりするなら、あなたは夫からモラハラを受けている可能性があります。夫婦の間でのモラハラとは、たとえば以下のような言動を挙げることができます。

・「バカ」「ブス」「頭が悪い」「お前はダメな人間だ」などと暴言を吐く

・相手の考え方や価値観を否定する

・ささいなことで激昂する、揚げ足をとるように相手のミスをいちいち指摘する

・明確な理由がなく、無視し続けたり食事を一緒に取らなかったりする

・勢いよく物を置いたりドアを閉めたりして、威圧感をあおる

・わざと人前で嫌なことをいう、からかって笑いものにする

日常的にこういった言動に悩まされ、耐え忍ぶ生活を強いられているならば、離婚を検討することも選択肢の1つです。モラハラがあったことをきちんと立証できれば、夫から慰謝料を取れる可能性もあります。

■モラハラ夫と確実に離婚する方法

とはいえ、夫が話し合いで離婚に応じてくれなかった場合、調停や裁判でモラハラを理由に離婚することは、実は簡単ではありません。なぜなら、モラハラは夫婦の間で起こっていることですから外からは見えづらく、「夫から日常的に精神的な虐待を受けていて、それが結婚を継続しがたいといえるほど重大である」ことを立証するのが難しいからです。

一方で、モラハラがあったことを客観的に証明できれば、モラハラを理由に離婚することは十分に可能といえます。そこで、モラハラを理由に夫と離婚するために押さえておきたいポイントは、以下の2つです。

【ポイント1】できるだけ確実な証拠を集める

モラハラが離婚理由に相当すると客観的に判断してもらうには、単に何度か上記に挙げたような言動があったのではなく、それが日常的であることを立証しなければなりません。そのため、以下のような方法で、調停委員や裁判官を納得させることができる確実な証拠を、継続的に収集しましょう。

1.夫の暴言や、悪口をいわれているときの夫との会話を録音する

2.ドアや物などにあたっている様子を動画に撮る

3.悪口や暴言が書かれたメールを保存しておく、LINEのスクリーンショットを撮っておく

4.医師に精神疾患の診断書を書いてもらう

今やほとんどの方がスマホを所持している時代ですから、1~3の証拠収集はそれほど難しいことではありません。また、4に関して、モラハラとうつなどの精神疾患を関連づけることは実際には難しいのですが、職場や家族などほかに人間関係で問題を抱えていない方であれば、夫のモラハラが精神疾患を引き起こす原因になったと主張することは十分に可能といえます。

【ポイント2】弁護士に依頼する

モラハラが原因で離婚する場合は、協議離婚であれ、調停・裁判離婚であれ、弁護士に相談することをおすすめします。なぜならモラハラの場合は、夫婦間の話し合いで解決したくても、日常的に精神的な暴力をふるうような相手と、対等な話し合いは望めないからです。また、調停・裁判においても、離婚を有利に進めるためには、モラハラという抽象的かつ主観的な離婚原因を、調停委員や裁判官に納得させるだけの交渉力が必要になります。

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