夫が生活費を入れなくなった!自分と子どもの生活を守るために妻ができること

「夫が突然、生活費を支払ってくれなくなった。子どもの中学進学も控えているのに、これからどうしたら……」そんな状況に陥ったとき、実は、法律に則って、夫に確実に生活費を支払わせる方法があります。

■婚姻費用分担請求を行おう!

夫がいきなり生活費をくれなくなったら、どうしますか?

共働きで妻も働いていれば、一時は何とかなるかもしれませんが、専業主婦だった場合、生活を続けていくことが難しくなってしまします!

もちろん、生活費を払ってほしい!と伝えることが重要ですが、そでも支払ってもらえない場合は、婚姻費用を請求する方法があるのです。

結婚している間の生活費全般のことを、「婚姻費用」といいます。夫婦に子どもがいる場合は、子どもの養育費や教育費も婚姻費用の一部です。

法律では、夫婦に婚姻費用を分担する義務を定めており、基本的には、収入の多いほうが少ないほうへ、日々の生活費として婚姻費用を支払います。つまり、妻がパート勤務で夫のほうが多くのお金を稼いでいたり、妻が専業主婦であったりすれば、夫は夫婦の義務として、生活費として妥当な金額を妻に渡さなければならないのです。

婚姻費用分担請求とは、婚姻費用の支払いを求めて家庭裁判所に申し立てる調停のこと。婚姻費用の支払いに関して調停で決まったことは調停調書に記録され、調停調書どおりに生活費を支払ってもらえなければ、最終的に強制執行を実行し、財産の差し押さえが可能になります。

■夫に生活費を支払わせるための5つの手順

夫に生活費を支払わせるためには、最終的に強制執行の手続きも取れる婚姻費用分担請求は、確実な方法です。とはいえ、法に訴えるのは最終手段と心得て、それまでにできることを実行しましょう。

・話し合い

夫婦関係を維持していく意味でも、可能な限りこの段階で解決できるのがベスト。まずは、夫と2人で話し合う機会を持ちましょう。夫の両親や会社の上司に説得してもらうことも1つの方法です。

・内容証明郵便の送付

内容証明郵便とは、記載内容を郵便局が証明してくれる、証拠としての確実性が高い文書のことです。話し合っても生活費を支払ってくれなければ、夫宛に生活費の支払いを請求する内容証明郵便を送りましょう。

内容証明郵便は通常、別居中の相手に送るものですが、「生活費を支払うよう要求したのに、それでも支払ってもらえなかった」という確実な証拠が残るので、同居中の夫に対しても有効といえます。

・婚姻費用分担請求

内容証明郵便を送っても生活費を支払ってもらえなければ、家庭裁判所に対して婚姻費用分担請求の調停を申し立てましょう。調停での話し合いでも夫が頑として支払う姿勢を見せないならば、調停は不成立となり審判に移行します。

審判とは、夫婦の合意に関係なく、さまざまな事情を考慮したうえで裁判官が判断を下すことです。調停で夫が生活費の支払いに応じた、あるいは、審判で裁判官が夫に生活費の支払いを命じた場合、取り決めの内容が調停調書や審判書に記録されます。また、調停調書・審判書には、強制執行力があります。

・履行勧告・履行命令

調停や審判を経てもなお生活費を支払ってもらえなければ、調停・審判で取り決めた内容に従って支払いを行うよう裁判所から命じてもらう履行勧告・履行命令の手続きを進めることができます。

履行勧告には法的な強制力はありませんが、履行命令に応じない場合は10万円以下の過料が課せられます。ある程度心理的な圧力にはなる一方で、無視されるケースも少なくないのが現状です。

・財産差し押さえ(強制執行)

何をやっても生活費を入れてくれない場合の最終手段です。婚姻費用の場合は、預金や給与の差し押さえ、婚姻費用における強制執行の場合、給与であれば1/2まで差し押さえが可能です。なお、履行勧告・履行命令の手続きを踏まず、いきなり強制執行の手続きを進めることもできます。

【番外編】離婚も選択肢の1つ

配偶者や子どもが生活できなくなること知りながら、あえて生活費を入れない行為を法律上、「悪意の遺棄」といいます。悪意の遺棄は法律で認められている離婚原因の1つなので、あなたに有利な条件で離婚を進めることが可能です。何をやっても夫が生活費を支払わない状況が続くようなら、弁護士などに相談のうえ離婚を検討することも選択肢の1つだといえるでしょう。

関連記事