アルバイト先から深夜労働を強要させられた!これって法的にどうなの?

24時間営業のスーパーやコンビニなどが普及すると同時に問題となっているのが、深夜時間帯の人手不足です。業務が滞る、店舗運営ができなくなる、などの理由からやむなく従業員を深夜に働かせるケースももちろんあるでしょうが、「深夜に働きたくない」と考えている従業員に対して、会社側が深夜労働を強要することに違法性はないのでしょうか?

■深夜労働の強要は違法?

まず大前提として、深夜の労働にかかわらず、使用者は労働者の意思に反して労働を強制することを法律上禁止されています。「深夜に働きたくない」という労働者に対して、使用者が無理やりに労働者を働かせることはできないのです。

ただし、就業規則に深夜労働に関する条項が設けられており、深夜労働が義務化されている場合は別です。雇用契約を結ぶ際は、必ず就業規則も確認するはずです。そして、その内容に同意したうえで雇用契約を結んでいるのですから、いくら働きたくなくても就業規則に規定があれば、深夜労働させられることを“強要”とは主張できません。

つまり、深夜労働の強要は、就業規則に深夜労働の規定があれば合法、規定がなければ違法、といえます。

■就業規則に定めがあっても深夜労働を拒否できる?

ただし、就業規則に深夜労働の定めがあっても、以下に該当する方は深夜労働に就くことができないか、深夜労働に就くことを拒否する権利があります。

【1】深夜労働に就けない人

・18歳未満の労働者(交替制の業務に就く16歳以上の男性を除く)

【2】深夜労働に就くことが免除される人

・妊婦

・産後1年未満の女性

・小学校就学前までの子どもを抱えている労働者

・要介護の家族を持ち、その介護を担っている労働者

【2】に該当する方は、会社に対して深夜業の制限請求を行えば、深夜労働に就くことを免除されます。また、法律では、会社側が請求を受け入れることも義務化しています。加えて、深夜業の制限請求があったことを理由に、解雇したり妥当な賃金を払わなかったりする不利益な扱いを行うことも禁じています。

これらの規定は全労働者に適用されるものですから、正規雇用であろうとパートやアルバイトなどの非正規雇用であろうと、深夜業の制限請求をする権利が認められています。ただし、雇用期間が1年に満たない場合、事業運営に支障が出ることから深夜労働に就くこともやむを得ないと判断できる場合などは、【2】に該当する方でも請求が認められないことに注意が必要です。

■深夜労働には割増賃金が支払われる!

このように、従業員を深夜労働に就かせること自体は、就業規則にきちんと定めていれば違法ではありません。しかし、深夜労働(22時~翌朝5時までの労働)に就く従業員に対しては、通常支払う賃金の1.25倍以上の割増賃金を支払わなければならないことが法律によって定められています。

割増賃金は時間外労働(通常の賃金の1.25倍以上)や休日出勤(通常の賃金の1.35倍以上)に対しても支払われるものですから、深夜労働が時間外労働や休日出勤と重なる場合は、当然ながらそれらにプラスして割増賃金を支払わなければなります。

深夜労働にもかかわらず通常の賃金と同額で勤務に就かせることは明らかに違法ですから、この場合は支払われなかった割増賃金を未払い賃金として会社に請求することが可能です。また、未払い賃金の支払い請求時には、未払い賃金と同額の付加金+遅延損害金を合わせて請求できる可能性もあります。

「不当な賃金で深夜に働かされることに納得がいかない」「本来ならば払われるお金を取り戻したい」とお考えの方は、一度労働問題に精通している弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。

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