職場でのマタハラは重大な違法行為!泣き寝入りしない対策術

妊娠や出産、生まれたばかりの子どもの育児を理由に、休業を妨げたり仕事を辞めさせたり、嫌がらせを行ったりすることをマタニティ・ハラスメント、通称「マタハラ」といいます。

最近では、育休を取ろうとする男性などに対してハラスメントを行う「パタハラ(パタニティー・ハラスメント/パタニティーは父性の意味)」も社会問題として取り沙汰されるようになり、マタハラが女性・男性問わず、誰でも巻き込まれ得る問題であることがわかります。万が一職場でマタハラ被害に遭ってしまったら、どのような対策が取れるのでしょうか?

■マタハラとは

マタハラは、大きく以下の2つに分けることができます。

1.妊娠・出産・育児を理由とする産休・育休の取得妨害、降格、解雇、雇止め、内定取り消しなど

2.妊娠・出産・育児をきっかけとした(特に精神的な)いじめや嫌がらせ

2の精神的な嫌がらせは、実は女性が妊娠する前からすでにはじまっているケースもあります。たとえば、採用時の面接において「入社後数年以内に妊娠・出産の予定はあるか」「妊娠・出産しても育休は取らないでほしい」などということも、マタハラに当たります。

また、結婚・妊娠・出産しないことなどを条件に採用者を選別することは、男女雇用機会均等法で禁止されています。

■マタハラはどこまで訴えられる?

以下に該当する事柄は、労働基準法や育児介護休業法、男女雇用機会均等法などで法律上認められている権利です。

●妊娠中の体調を考慮した配置転換(妊婦が自ら希望した場合)

●妊娠や出産、育児を理由に、内定取り消しや解雇、雇止めなどをされないこと

●妊娠や出産、育児を理由に、降格されたり賃金を引き下げられたりなど、不利益な扱いを受けないこと

●産前・産後休業、育児休業を取得すること

上記と照らし合わせてもわかるとおり、マタハラの中でも1に該当するものは、明らかに違法性が認められます。そのため、訴えを起こして無効を主張することや慰謝料を請求することができ、また、主張や請求が認められる可能性も高いといえます。

一方で、訴えることが難しいのは2に該当するマタハラです。妊娠中で体調が安定しないために労働力が低下することに対して「迷惑だから仕事をやめろ」などといったり、妊娠後期の大きなお腹を指して「みっともないから営業に行くな」などといったり、休業後の復職時に無視や嫌がらせをしたりなどは、どれもマタハラには違いありません。

しかし、社内のいじめや嫌がらせによって精神的な苦痛を受けたために慰謝料を支払ってほしいと訴えても、いじめや嫌がらせの事実を客観的に証明できなければ、勝訴を勝ち取ることは難しいでしょう。また、仮に勝訴したとしても、認められる慰謝料額は1に該当するマタハラと比較すれば低くなる可能性が高くなります。

■マタハラを受けたらすべきこと

【まずは弁護士に相談を】

職場でマタハラ被害に遭ってしまったら、訴えるか訴えないかにかかわらず、まずは弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。訴訟を起こすことが難しい事案でも、状況を打開する具体的なアドバイスをくれるはずです。

最初に弁護士に相談するのはハードルが高いと思うなら、社内に設置されているハラスメントの相談窓口や、民間の相談窓口を利用することもできます。

【マタハラの証拠を集めよう】

窓口などで相談してみても一向に状況が改善されない場合、最終的には訴訟を起こして争うことになりますが、マタハラの訴訟において不可欠といえるのが客観的な証拠です。マタハラ被害に遭ったら、訴訟を起こすつもりはなくても念のためと考えて、マタハラにあたる発言を録音したり、メールや文書を保管しておいたりすることをおすすめします。

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