「自家製どぶろく」を造ると、懲役刑になるかも?

かつては当たり前のように各家庭で造られていた「どぶろく」。別名もろみ酒・濁り酒とも呼ばれており、日本酒の原型となるお酒です。歴史はかなり古く、平安時代にはすでに庶民の間で楽しまれてきたそうです。

ご存じの方も多いでしょうが、現代では「自宅でお酒が造れるなんて最高~!」と、軽い気持ちでどぶろくを製造をすることは違法行為になります。酒税法違反として、罰金や場合によっては懲役刑が科せられることも。「なんでそんなに厳しいの!?」とびっくりする人がいるかもしれませんが、その裏には明治時代の「酒造税」が絡んでいるようです。

なぜ自宅でお酒を造るのはいけない?

現在の酒税法は1953年に制定された法律。1940年に制定された酒税法は「旧酒税法」と呼ばれています。簡単に言うと、お酒にかかる税金を確実に、そして効率良く徴収するために定められたルールなのです。アルコール度数1パーセント以上のお酒に対して発生するもので、ひと昔前は高級なお酒ほど高い税金がかかっていました。

自宅で勝手に造って楽しまれてしまうと、本来得られるはずの税金が入ってこないことになります。そこで、許可をとっていない者がお酒を製造することに対して、厳しい罰則を設ける取り決めができたのです。

「とは言っても、実際は大したことないんじゃないの?」と、あなどることなかれ。酒税法54条により、10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。コレはちょっとした出来心ではすまされません!

梅酒やかりん酒などの果実酒もダメ?

梅の時期になると、自家製の梅酒やかりん酒などといった果実酒を造って楽しむ人も多いですよね。これも酒税法に違反するのかというと、今の法律上では原則としてOKです。

そもそも酒造税が適応された当時の内容は、自宅で自家製果実酒を製造するのも一切ダメ! といった厳しいものでした。もちろん梅酒やかりん酒も不可だったのです。

そんななか、1961年、当時の内閣で広報参与を務めていた人物が、家庭で製造する梅酒を礼賛する文章を新聞に寄稿します。実はこっそり自宅で自家製果実酒を楽しんでいた家庭も多かったのですが、こうして公になってしまったことで「酒税法違反だ!」と大騒動になりました。

翌年1962年に酒税法が改正され、家庭での梅酒やかりん酒などフルーツリキュールの製造が合法になりました。もし、この騒動がなかったら、現在でも自家製梅酒を楽しむことはできなかったかもしれませんね。

ただし、漬け込むお酒は1種類・アルコール度数20度以上、すでに酒税が納められたものに限定されています。また、できあがったリキュールのアルコール度数が1パーセント以下であることも重要です。アルコール度数を言われても……と不安になりますが、現在一般的に出回っているレシピで楽しむ分には問題はないと言ってよいでしょう。

その一方で、気を付けたいのが梅酒です。一部地域では調味料のみりんを用いたレシピが伝承されているそうです。しかし、2種類のお酒を混ぜることは酒税法違反に。みりんはお酒ですから、「みりん+別のお酒」は違反になります。また、みりん単体を使うパターンでも、アルコール度数はおおよそ15度くらいですから、20度の基準を満たしていません。大変なことになりますから、絶対に実行しないようにしてくださいね。

まとめ

意外すぎるほど厳しい酒税法。その裏には確実に税金を徴収したいといった理由がありました。みなさんも酒税法を守って自家製の果実酒づくりを楽しんでください。

参考:

電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ|酒税法

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