ひげに帽子…世界の変わった税金の歴史

大人になって自分のおサイフから税金を払うようになると「コレにも税がかかるの?」と驚くときもありますよね。今の時代でも意外なモノに税金がかかることを日々実感しますが、過去には信じられないような税金が存在していました。

日本でも江戸時代・5代目将軍徳川綱吉が発した生類憐れみの令により「犬税」なるものがあり、自転車が高級品だったころには「自転車税」が徴収されていたそうですよ。

さらに世界の税金にはもっと疑いたくなるような変わったモノも。今回はおもしろい&信じられない世界の税金の歴史をみていきましょう。

ヒゲを伸ばすと課税される「ひげ税」

1705年にロシアで発令されたコチラの税金。もちろん、ひげとは男性に生える、あの「ひげ」です。以前のロシアでは、男性は顔一面をひげで覆った状態が普通でした。それは単純にロシアの気候は寒いからといった理由もあったのですが、それ以上に宗教上の理由がありました。ひげは神さまからの贈り物なので勝手にそってはいけないと考えられていたそうです。なにしろ「ひげのない男は信用するな」という言葉もあったほど。

しかし、ピョートル大帝が即位すると状況は一変。ピョートル大帝は西欧化、当時のフランスをお手本とした近代化社会を目指しました。フランス周辺の文化は体毛がないほうが良いとされ、男性のひげなどもってのほかだったのです。

ピョートル大帝は、まず貴族を中心に羊の毛刈り用ハサミでひげをカットします。宗教上の理由でひげをそりたくない者たちには60ルーブル相当、当時としては高額な税金を課したそうです。

実は、この「ひげ税」にはもうひとつの思惑があった様子。当時のロシアは財政難で、何にでも税金をかけていました。「もはや税を課す対象がない……」そんなとき、男性のひげが目に入ったのだという説も。世界の税金は奥が深いですね。

トランプを製造すると徴収される「トランプ税」

17世紀、フランスがスペードのエースにかけた税金が「トランプ税」です。つまりスペードのエースを印刷するときには税金を支払うことになります。「なぜトランプに?」と首をかしげてしまいますが、当時トランプは娯楽の一種として広く楽しまれていたので、課税対象になるのも当然だったようです。

課せられているのはこのカード1枚のみだったため、そのスペードのエースのみ納税証明印を印刷したのだとか。その名残で、本格的なフランス式トランプはスペードのエースだけ絵柄が少し違うそうですよ。

実はこのトランプ税、過去をさかのぼってみると日本にもあったことをご存じですか? しかも廃止されたのは、1989年(平成元年)とわりと最近の話なのです。ただし、子どもが遊びで使うことを目的として製造された児童用トランプには課せられていません。

ぜいたくは敵?「帽子税」

イギリスの首相にウィリアム・ピットが就任した1780年代に制定された、男性の帽子に対して課税する帽子税。当時、イギリスでは「帽子=高価な装飾品」でした。貧しい家庭では帽子をもっていないことが多く、反対に裕福な人ほどたくさんの帽子を所持していました。そのため、裕福な人から多く税金を取る画期的な方法として注目を集めたそうです。

なんだか緩やかな税金に感じますが、実は厳しい決まり。帽子の内側には納税したことを証明する証紙を挟むことになっていましたが、これを偽造したら死刑だったそうです。

まとめ

ライフスタイルの変化とともに、こうした税は廃止されていきました。それと同時に新しい税金も生まれています。日本でも江戸時代の犬税とは目的が異なりますが、ペット税が誕生する……といったウワサもありました。もしかすると近い将来、世界もびっくりするような、おもしろい税金が日本でも課せられるようになるかも……?

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