いつも忙しいは時代遅れ?経理作業を効率化する方法

経理作業は、専門性が高いために人のローテーションも組みにくく、いったん作業の仕組みができあがると、それを踏襲する傾向にあります。でも、本当にその方法が、作業効率化の結果なされているものなのでしょうか?

ルーチンワークこそ見直しが必要かも

実際に私が経験した事例ですが、クライアントの経理担当者が行っていた作業に対して、とある疑問をもったことがあります。その経理担当者は、一度手書き伝票を起票し、その手書き伝票通りに会計ソフトに入力していました。そこで「なんで紙の伝票に起票しているのですか? その紙の伝票はどうするのですか?」と質問をしてみたのです。すると次のような答えが返ってきました。「いや、前任者がこうやっていたので、そのとおりやっているだけです。なんとなく無駄なことをしているなぁとは思っていたのですが……」。

いったん作業がルーチン化されると、なかなかその作業の見直しをすることはしません。おもしろいもので人間は一度決まった行動に対して疑問を抱こうとはしないものなのです。

業務を効率化するポイントとは

1.可視化する

まず、やらなければならないことは、現状把握です。実際に今の業務フローが、作業効率化をされたものであるかを検証する必要があります。

現状の業務を書面にフローチャートとして落とし込み、ふかんしてみることがポイントです。無駄な作業はないか、二重で行っている入力はないか、意味のない承認や不正・リスクの可能性、必要な人に書類が回っていない、使われない資料の作成などが行われていることを確かめられます。さらに、第三者にこのフローチャートを見てもらい、課題を指摘してもらうのも良いでしょう。他人から指摘されることで、はっと気が付くこともあります。当たり前だと思って行っていたことが、可視化することによって、実は作業効率化を邪魔するものであることもよくある話です。

2.現金などの現物を取り扱わない

業種や業態によって向き・不向きもありますが、「現金」を扱わないのも作業効率化の代表的な方法です。従業員が使った小口の精算を現金で渡していたりしていませんか? 「現金」を扱うとお金を数える手間や安全面など注意しなければならないことがあります。小口の精算は領収書の確認をした後、振り込みにすれば手間が省け、現金をなくしてしまうような危険がなくなります。さらに、給与振込と一緒に行えば、振込手数料の負担も減ります。「現金」の扱いをなくすだけで数々の手間が省けるのです。

3.手続きを減らす(自動引き落とし)

売掛金の入金を、先方の預金口座から自動引き落としにすることも作業効率化になります。自動引き落としのデータは大抵の場合CSVで出力することができ、売掛金の入金の消し込みに使えます。1件1件得意先からの入金を会計上処理し、そして未収の管理をするのはとても大変です。自動引き落としを活用しない手はないでしょう。

4.システム化する

経理作業の最も作業効率化が図れるものは、やはりシステム化です。ERPのパッケージソフトがその代表例です。販売、購買、在庫、そして財務に渡り一気通貫で自動化され、管理することが可能になります。
ただし、システムを導入する前の大前提があります。それは、マニュアルでの業務フローが正しく最適化されていることです。

まとめ

逆説的な表現ですが、間抜けな業務フローをそのままシステム化してしまうと、輪をかけた間抜けな業務フローになってしまいます。システム開発に多額のお金を払ったのにもかかわらず、結局、不要な帳票が出力されたり、集計したいデータが出力されなかったりと逆に人手をかけなければならないという残念な結果になってしまうのです。

そうならないためにもまずは業務フローをふかんしてみて、マニュアルでの作業効率化が適切に図られているかを確認することが最も大切なポイントになります。

文:松本恒(税理士)

関連記事