減らしにくい?個人事業主や法人が消費税を節税する方法

ここのところ、税負担が増える一方の日本。消費税も8%からさらなる増税が決定されていて、消費者に与える影響は少なくありません。家計への負担を少しでも減らすための消費税の節税について解説します。

課税の仕組みはどうなっている?

消費税は、「モノやサービスの消費」に課税される税金です。消費税は、生産、流通のそれぞれの段階で、商品が販売されるつど、その販売価格に上乗せされてかかります。つまり、税を負担する先が次々と移っていくのです。

そして、最終的に負担するのは消費者です。消費者が負担した消費税は、生産、流通の各段階の事業者が納付します。事業者は、売るときに消費税を受け取り(預かり)、仕入れたときに消費税を払っていますので、預かった消費税と支払った消費税の差額を納めることになります。結果として、消費者が負担した税額が納付されます。

事業者としては、キャッシュがあっても、実は預かっていた消費税が含まれていますから、納税分を認識しておかないといけませんね。消費税と地方消費税を合わせた税率は現在8%、2017年4月には10%に上がります。

消費税が免除になる場合

支払った消費税より預かった消費税が多ければ、その差額を納めなければなりません。しかし、一定の場合は、その納税が免除されるのです。消費税の納税義務判定の基準期間は前々年(前々事業年度)、つまり2年前です。
ただし、法人に関しては、基準期間がない間は、資本金が1,000万円以上であれば、納税義務は免除されません。

Ø  2年前の課税売上高が1,000万円以下の場合

基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は納税義務が免除されます。ただし、特定期間(前年の前半6ヵ月)の課税売上高及び給与などの支払額が1,000万円を超えていれば適用されません。

Ø  新規に開業した場合

2年前の基準期間がないので、資本金により判定します。ただし、資本金が1,000万円未満でも、一定の場合には免除されないことがあります。2年目、3年目は上記の特定期間、基準期間の判定が必要です。

Ø  法人成りして2年間

個人と法人は別ものですから、事業内容が同じでも法人成り(個人事業主から法人化すること)して上記の要件を満たせば免除されます。

具体的な節税方法

1. 業務を外注化する

預かった消費税額が同じでも、支払った消費税額が大きければ、納税額は少なくなります。給料や社会保険料は消費税課税対象外ですが、外注費は課税です。つまり、人件費は社員に給料を払うより、外部委託し外注費とした方が支払った消費税が大きくなり、結果として節税になります。
ただし、業務の内容が外注化できるものなのか、従業員の雇用形態をどうするべきか、慎重な検討が必要です。

2. 簡易課税を選択する

基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は簡易課税制度を選択することができます。簡易課税制度とは、売上に「みなし仕入率」を乗じた金額をその年の仕入れとみなして支払った消費税額を計算できる制度で、売上金額だけですべての計算が終了するため、簡単です。事業の種類に応じて定められている「みなし仕入率」を使います。実際の仕入れ率よりも、みなし仕入れ率の方がおおむね高く、差額分が節税できます。事前の届け出と2年間の継続適用が要件です。

3. 還付を受ける

設備投資など、高額の資産を購入する場合、一時に多額の消費税を支払います。売上により預かった消費税額よりも、その年の購入、仕入れなどにより支払った消費税額の方が大きく、差額がマイナスであれば、その分還付を受けることができます。節税どころかお得になります。還付が見込まれる場合、あえて課税事業者を選択する方法もありです。課税事業者で簡易課税でないことが要件です。

まとめ

消費税の仕組みは、消費者から預かった消費税を事業者が納付する訳ですから、自分の努力で節税できるものではありません。ただし、消費税の仕組みをうまく利用すれば、負担を軽減させることはできます。届出要件、継続適用要件など気を付けて、計画的に節税効果を上げたいものです。

文:川﨑由紀子(税理士)

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